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富士登山:2021年シーズンは7万8500人、2年前の20万人超から激減

社会

2年ぶりに登山道の閉鎖が解かれ、再開された夏季の富士登山。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、登山者は7万人台と例年の3分の1にとどまった。

環境省の調査によると、2021年の富士山の開山期間(7月1日~9月10日)に8合目を通過した登山者は7万8548人だった。20年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で4ルートある登山道のすべてが閉鎖されて登山者の記録はなく、23万5646人だった19年と比べると3分の1の水準だった。今年も山小屋の定員が制限されたほか、登山客の外出自粛、8月に天候不良が続いたことなどが影響したとみられる。

同省は2005年から吉田、須走、御殿場、富士宮の4ルートの各8合目付近に赤外線カウンターを設置して、登山者数を調べている。最も多かったのは吉田ルートで、19年比で4割弱となる5万4392人。以下、富士宮(1万1409人)、須走(6411人)、御殿場(6336人)の順となった。

富士宮、御殿場ルートについては、カウンターの不具合により一部計測できなかった日が発生しており、実態を正確に反映していない可能性があるが、全体で毎年20万人を超していた2011年以降と比べると極めて少ない数字となった。静岡県富士宮市が設置している富士宮ルート6合目の登山者カウンターによると、同省設置カウンターの欠測期間中の登山者数は計1万2009人だった。

また、登山日に関するデータをみると、最も多かった日は8月28日(土曜日)の4563人。土・日・祝日の休日と平日の登山者数の平均は、休日が1843人、平日が1007人だった。

2021年と2019年の富士山の休日および平日の登山者数平均(人)

2021年 2019年
平日 土日祝日 平日 土日祝日
吉田ルート 602 1,081 1,746 2,848
須走ルート 73 159 257 496
御殿場ルート 78 189 160 285
富士宮ルート 254 414 636 1,294
合計 1,007 1,843 2,799 4,923

環境省調べ

登山した時間帯については変動が激しく、午前9~11時、夕方15~17時、深夜23時~翌1時ごろに多くの登山者が8合目を通過する傾向が見られた。午前のピークは主に日帰りの登山者、夕方のピークは主に8合目以上の山小屋に宿泊する登山者、深夜のピークは山頂で御来光を見る登山者であると推測されるという。

バナー写真:富士山頂でご来光を見る登山者ら=2021年7月19日(AFP=時事)

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