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健康保険7年連続の黒字―コロナで病院受診控え : 保険料収入低迷で21年度以降は収支悪化

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大企業社員らが加入する健保組合の20年度決算は7年連続の黒字の見通しとなった。しかし、コロナ禍で医療機関の受診を控えるという特殊要因によって支出が減っただけで、今年度以降は「収入源・支出増」の構造問題がのしかかってくる。

大企業の社員らが加入する全国1388の健康保険組合の2020年度決算見込みは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う企業業績の悪化で保険料収入が前年度比0.7%減の8兆1841億円と落ち込んだ。特に、コロナ禍の直撃を受けた宿泊業や飲食サービス業などが苦戦。一方で、感染回避のため医療機関の受診を控える人が多く、保険給付費が同5.1%減の3兆9065億円にとどまり、支出総額が抑制された。この結果、差し引きで2952億円の黒字となった。黒字は7年連続。

20年度の黒字は、受診控えという特殊要因によるものだ。保険料収入の減少傾向が続く上に、「団塊の世代」が後期高齢者に突入するため、健保連が公表した21~23年度の財政見通しは、いずれも赤字を見込んでいる。

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