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コロナ新指標、医療提供体制を重視 : 社会経済活動の促進へシフト

健康・医療 社会

首都圏などでの緊急事態宣言の解除から1カ月以上が経過したが、今のところリバウンドもなく感染は抑制されている。国民の7割超でワクチンの2回接種が済んだこともあり、政府は日常生活の制限を段階的に緩和し、社会経済活動の促進へとシフトしつつある。新型コロナウイルス対策を判断指標も、感染者数から、医療提供体制の状況を着目したものに転換する。

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は、感染状況を評価する新たな指標を決めた。

政府はこれまで、人口10万人当たりの1週間の新規感染者数を中心に、空き病床の状況なども考慮して感染状況を「ステージ1~4」に分類。最も深刻なステージ4を緊急事態宣言の目安としていた。

新たな指標は、医療提供体制の逼迫状況に応じて「レベル0~4」の5段階に分類。例えば、レベル2から3への移行は「病床使用率や重症病床使用率が50%を超えた場合に、都道府県が総合的に判断する」とし、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などの “強い対策”も必要としている。

新型コロナ対応の新たな指標

状況 求められる対策
レベル4(避けたい)
  • 一般医療を大きく制限しても、コロナの医療対応ができない 
  • 最大確保病床数を超えた数の入院が必要
  • さらなる一般医療の制限
  • 国が災害的医療対応として、都道府県の支援や調整
レベル3(対策強化)=従来のステージ3の最終局面~ステージ4に相当
一般医療を相当程度制限しなければ、コロナへの医療対応ができない
  • 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の検討
  • 病床のさらなる確保
  • 大都市圏での飲食店やイベントの人数・時間制限、対面授業の自粛
レベル2(警戒強化)

新規陽性者数は増加傾向にあるが、病床数の増加で医療が必要な人への対応ができている

  • 感染リスクの高い行動の回避を呼び掛け
  • 保健所の体制強化
  • 病床を段階的に確保
レベル1(維持)
安定的に一般医療が確保され、コロナ対応の医療も可能な状態
  • ワクチン接種の推進 
  • 医療提供体制の強化
  • 基本的な感染対策の継続
レベル0
  • 安定的に一般医療が確保され、コロナに対しても対応可能な状態
  • 大都市圏で感染が持続していても、都道府県によって新規感染者がゼロ
  • ワクチン接種の推進 
  • 医療提供体制の強化
  • 基本的な感染対策の継続

バナー写真 : 緊急事態宣言が明け、大勢の人が行き交う銀座4丁目交差点(時事、2021年10月23日、東京都中央区)

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