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食品輸出、初の1兆円突破へ : 2021年は10カ月で9734億円達成

経済・ビジネス

日韓関係悪化や、新型コロナウイルスの感染拡大で足踏みが続いていた農林水産品の輸出。2021年はついに1兆円大台を突破の見通し。

農林水産省は、2021年1~10月の「農林水産物・食品」の輸出額が前年同期比28.0%増の9734億円になったと発表した。初めて、通年で「農産品輸出1兆円」達成がほぼ確実となった。

品目別では、農産物が6499億円、水産物2401億円、林産物が467億円など。農産物では、日本酒、ウイスキー人気を背景にアルコール飲料など加工食品が3749億円を占め、畜産品は908億円、穀物は453億円、野菜・果実は416億円だった。コロナ禍で停滞していた経済活動の再開で、中国40.2%増の1841億円、香港8.8%増の1778億円、米国43.8%増の1371億円と大きく伸びた。

政府は、環太平洋経済連携協定(TPP)や欧州連合との経済連携協定(EPA)を追い風に「2019年1兆円」の目標を掲げていたが、同年は日韓関係の悪化による韓国向けが大きく落ち込んだことで伸び悩み。2020年は新型コロナウイルスの世界的感染拡大で牛肉やホタテなど外食向けの高級食材が落ち込みがブレーキとなっていた。

政府は農林水産物と食品の輸出額を2025年までに2兆円、2030年までに5兆円にする目標を掲げている。

バナー写真 : PIXTA

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