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「メインバンクは地銀」過去最高の40.51% : 都銀統廃合・撤退で地域金融機関の存在感増す

経済・ビジネス 社会

帝国データバンクの調査で、都銀のメインバンクシェアが低下傾向にあるという。その一方で、地方銀行の存在感が増している。コロナ禍で多くの中小企業が疲弊する中、資金繰りだけでなく、経営再建、事業承継、取引先の新規開拓など地域に密着した金融機関に求められる役割が増している。

帝国データバンクの調査で、全国のメインバンク社数のトップは三菱UFJ銀行の9万6511社だった。09年の調査開始以降13年連続のトップ。ただし、同行のメインバンク社数は前年より1600あまり減少し、全国シェアは前年より0.10ポイント低下した。2位の三井住友銀行、3位のみずほ銀行もシェアを落としており、上位の3メガバンクの合計で、前年比3700社減少、シェアを0.24ポイント低下となった。

地方・第二地方銀行では北洋銀行の2万3895社が最多。福岡銀行、千葉銀行、西日本シティ銀行が続いた。2021年4月に第四と北越の経営統合で発足した第四北越銀行はメイン1万7993社で、北陸に拠点を置く地方銀行として初めてトップ10入りした。

メインバンク社数 上位10行

金融機関名 社数 シェア(%) 前年比
三菱UFJ 96,511 6.64 ▲0.10
三井住友 77,437 5.53 ▲0.08
みずほ 62,291 4.28 ▲0.06
りそな 30,469 2.10 +0.01
北洋 23,895 1.64 ▲0.03
福岡 21,871 1.50 +0.01
千葉 21,124 1.45 0
西日本シティ 20,563 1.41 0
第四北越 17,993 1.24
埼玉りそな 17,418 1.20 +0.01
静岡 16,745 1.15 0
横浜 16,387 1.13 +0.02
広島 16,046 1.10 0
常陽 15,500 1.07 0
中国 15,319 1.05 ▲0.02
群馬 15,198 1.05 0
北陸 14,944 1.03 0
八十二 14,291 0.98 +0.01
七十七 14,160 0.97 0
十八親和 14,027 0.96 ▲0.01

出所 : 帝国データバンク

業態別で、シェアが最も高いのは地方銀行の40.51%で、2009年の調査開始以来、シェア拡大は12年連続、3年連続の40%超えとなった。次いで、信用金庫が23.39%で、3年連続のシェア拡大。地銀と信金を合わせたシェアが全体の3分の2に迫る。

3メガを含む都市銀行のシェアは19.51%で、前年を0.24ポイント下回り過去最低を更新。低下幅は調査開始以来過去最大。

地域ごとの業態別シェアは、9地域のうち東北、北陸、中部、中国、四国、九州の6地域で地銀がトップシェア。一方、都銀は9地域中、7地域でシェアを縮小。

帝国データバンクでは、「全国的に拠点統廃合や撤退を進める都市銀行のシェアを地方銀行などの地域金融機関が侵食する構図が続く」と分析している。

バナー写真 : PIXTA

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