Japan Data

都市圏勤労者の3割弱が地方移住に関心:候補の上位は千葉、神奈川、長野―NTTコムリサーチ調査

社会

民間の意識調査で、都市部のホワイトカラー職で地方移住に関心を持つ人が3割弱もいるという結果が出た。うち半数は「検討中」「準備中」と、実際の行動に積極的な意向を示している。

NTTコムリサーチとNTTデータ経営研究所が都市部に住む勤労者らを対象に共同で実施した地方移住に関する意識調査によると、地方移住に「関心がある」とした回答した人は全体の3割弱の27.9%となった。この3割弱のうち、15.0%は「コロナ禍以前から関心がある」、12.9%は「コロナ禍を機に関心を持った」と答えた。

調査は2021年9月中旬、東京都23区、首都圏3県の主要都市と大阪、名古屋両市に居住する経営者、役員を含む雇用者(正社員)、公務員、団体職員の30~50代のホワイトカラー職約1000人を対象行われた。回答者全体のうち未婚者は33.4%、既婚者は60.4%、「相手と離別・死別」が6.2%の割合だった。

地方移住について、「コロナ禍以前から関心がない」と答えた人は、全体の51.2%、「どちらともいえない」と答えた人は19.7%だった。一方で、地方移住に関心を持つ人のうち半数が「興味があり検討している」「実施に向けて準備している」「既に実施している」と回答した。

地方移住に関心のある人が移住にあたって重視する要素については、「スーパーなど、生活インフラへの距離や店舗数」との回答が52.8%と最も多く、以下、「住宅費の安さ」(50.0%)、「都心からのアクセス」(48.3%)、「趣味に適した環境や土地」(35.1%)、「現在の職場からの近さ」(33.0%)などが続いた。地方への移住を希望していても、現状の生活レベルは維持しつつ、都心への交通などの利便性を一定程度、確保したいとの意向がうかがわれる。

地方移住にあたって重視する要素(%)

スーパーなど、生活インフラへの距離や店舗数 52.8
住宅費の安さ 50.0
都心からのアクセス 48.3
趣味に適した環境/土地 35.1
現在の職場からの近さ 33.0
会社からの制度的な後押し 29.5
移住先の自治体などからの助成金の有無 28.5
会社からの金銭的な後押し 23.3
先にその土地へ移住した人の感想や口コミ 20.1
子の教育環境の充実度 16.3
就農に適した環境/土地 7.6
その他 2.1

(NTTコムリサーチ、NTTデータ経営研究所の2021年共同調査より)

地方の移住先の候補については、千葉、神奈川、長野の3県の割合が15.3%で同率首位となった。以下、東京都の23区外(12.2%)、埼玉県(11.8%)、北海道(11.1%)、静岡県(10.4%)、「候補地は未定」(9.7%)、群馬県(8.0%)などの回答が続いた。候補地選定の理由については、「自然環境の豊かさ」が49.3%で最多だった。

バナー写真:PIXTA

地方創生 移住