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交通事故死、5年連続最少更新2636人―警察庁 : 65歳以上の割合は過去最高の57.7%

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2021年の交通事故による死者は5年連続で過去最少を更新。死亡者の6割近くを65歳以上の人が占めており、高齢者の事故対策が重要だ。

2021年の交通事故による死亡者の数は前年比203人減の2636人で、5年連続で統計が残る1948年以来の最少を更新した。人口10万人当たりの死亡者数は、最も多かった1970年(16.33人)の8分の1近いの2.04人となった。交通事故件数は前年比1.2%減の30万5425件(速報値)だった。

都道府県別では神奈川が142人で最も多く、大阪140人、東京133人が続いた。最少は島根の10人。人口10万人当たりの死亡者数は全国平均が2.09人のところ、徳島が4.45人で最多。香川3.89人、愛媛3.75人、高知3.62人と四国4県はいずれも3.5以上と平均を大きく上回った。

交通事故による死亡者数は、1950年代から60年代にかけて自動車の普及とともに急増。「交通戦争」とまで呼ばれるほどだった1970年に最多の1万6765人を記録。運転席・助手席のシートベルト着用が、1985年高速道路・自動車専用道路で義務化、1992年一般道で義務化されたことに加えて、1990年代中盤頃からエアバッグの普及が急速に進むなど安全装備の向上などがあり、死亡者数は漸減。また、近年は衝突軽減ブレーキ、車線はみ出し警報などの予防安全技術が進化していることや、ドライブレコーダーの搭載が進むなど安全意識の高まりも奏功しているとみられる。さらに、2020、2021年は新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛の影響で交通量が減少したこともプラスに働いたとみられる。

65歳以上の高齢者の死者数は前年より76人減の1520人となったが、死者全体に占める割合は57.7%で過去最高となった。さらなる死亡事故の抑制には、高齢者事故対策が欠かせない。

バナー写真 : PIXTA

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