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コロナ下で小中学生の体力低下が顕著―スポーツ庁の2021年度調査

社会 健康・医療

新型コロナウイルス感染拡大で「外遊び」やスポーツの機会が減った影響なのか。スポーツ庁の調査で、子どもの体力が大きく低下していることが分かった。

スポーツ庁が公表した全国の小中学生を対象とする2021年度の「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果によると、19年度の前回調査と比べて持久走や反復横跳びを含めた実技8種目の点数、回数やタイムなどの成績が軒並み低下し、体力合計点も男女ともに大きく下がった。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、体力低下に拍車がかかった格好だ。

今回の調査は国公私立の小学5年と中学2年全員の約200万人を対象に、21年4月から7月にかけて行われた。種目は、握力、上体起こし、長座体前屈、反復横跳び、50メートル走、持久走(往復持久走)、立ち幅跳びと、ソフトボールまたはハンドボール投げの計8種目。2011年度と20年度は調査を中止している。

8種目を点数化した体力合計点(80点満点)の平均値は、小5男子が52.5点(19年度53.6点)、小5女子が54.7点(同55.6点)、中2男子が41.1点(同41.6点)、中2女子が48.4点(同50.0点)となり、いずれも前回よりも下がった。

主な種目別にみると、中2男子の持久走(1500メートル)が19年度より7.2秒、中2女子の持久走(1000メートル)が同年度より7.7秒、それぞれ遅くなっており、落ち込みが目立った。短距離の50メートル走は、中2男子が0.01秒速くなったものの、小5男子が0.03秒、小5女子が0.01秒、中2女子が0.07秒、それぞれ遅くなった。このほか、握力、立ち幅跳びも、中2男子以外はおおむ低下傾向を示した。

同庁は体力低下の主な要因として、コロナ下で各種学校活動が制限されたことに加え、従来からの運動時間の減少、スマートフォンやゲームの利用時間の増加、肥満の子供の増加などを挙げている。

バナー写真:PIXTA

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