第5波と第6波をグラフで比べる : 今のところ重症者は少ないけれど…
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2022年の年明けとともに、新型コロナウイルスの感染第6波が襲ってきた。オミクロンは重症化しづらい、昨年夏の第5波の時と比べて重症者数は少ない…などと油断してはいけない。重症者数のピークは遅れてやってくる可能性がある。
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世界保健機関(WHO)が南アフリカで見つかった新型コロナウイルスの変異株を「懸念される変異株」に指定し、オミクロンと命名したのが2021年11月26日。空港検疫で日本初のオミクロン株感染が判明したのが11月30日。そこから2カ月足らずで、コロナウイルスは経験したことのない爆発的なスピードで拡大している。
21年夏の「第5波」の際は、7月からじわじわと感染者数が増え始め、初めて1日当たりの感染者が2万5000人を超えた8月19日までは1カ月半を要した。ところが、今回は、1月1日の感染者534人から、1月15日に2万5000人を突破するまでわずか2週間だった。
オミクロン株については重症化しにくい可能性が示唆されている。グラフを見ると、国内の重症者数は第5波の時と比べると、今のところ少なく抑えられている。
ただ、第5波では、感染者数のピークより2週間ほど遅れて、重症者数がピークに達している。感染拡大の初期段階では、感染の中心を若年層が占めるため重症化しづらいが、中高年世代に感染が拡大するにつれて、重症者が増える傾向にあるためだ。
重症者数と死亡者数だけを取り出したグラフでは、第6波でも重症者数の増加が始まっていることが分かる。油断は禁物。密を避け、会話は控えめに、手指消毒の励行など、今一度、基本の感染対策を徹底したい。
バナー写真 : PIXTA / ロイター

