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2021年の特殊詐欺:認知数1万4461件と4年ぶりに増加、「還付金詐欺」が倍増―警察庁

社会

高齢者が被害者の大半を占める「特殊詐欺」。コロナ禍で“巣ごもり生活”が続いたことと関係があるのか、2021年の認知件数が4年ぶりに増加。中でも医療費や保険料の払い戻しがあるなどと持ち掛ける「還付金詐欺」の件数が急増した。

2021年の特殊詐欺の認知件数(暫定値)が前年比911件(6.7%)増の1万4461件となり、4年ぶりに増加したことが警察庁のまとめで分かった。被害額は同7億1000万円減の278億1000万円だった。、同庁は依然として被害が高齢者を中心に高い水準で発生しており、深刻な状況が続いていると注意を促している。

特殊詐欺とは、被害者に電話をかけるなどして対面することなく信頼させて、指定した預貯金口座へ振り込ませるなどして、現金などをだまし取る犯罪の総称。

被害は大都市圏に集中しており、都道府県別でみると最も多い東京都の認知件数が同423件増の3319件。次いで大阪府が432件増の1539件、神奈川県が312件減の1461件、千葉県が114件減の1103件、埼玉県が56件増の1082件、愛知県が293件増の862件、兵庫県が181件減の846件で、これら7都府県で全体の約7割を占める。

1日当たりの被害額は、170万円減の7620万円、既遂事件の1件当たりの被害額は20万3000円減の199万8000円だった。

認知件数を主な手口別にみると、医療費や保険料の払い戻しがあるなどとして金をだまし取ろうとする「還付金詐欺」が4001件と最も多く、前年の1804件から2倍以上に急増したのが目立つ。次いで、家族になりすます「オレオレ詐欺」の3077件(805件増)、高齢者らをだましてキャッシュカードを用意させ、偽のカード類とすり替える「カード詐欺盗」の2587件(263件減)などが続いた。

バナー写真:PIXTA

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