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東京電力管内、綱渡りの電力供給 : ブラックアウト回避のために停電の可能性も

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3月16日深夜の福島沖地震で停止した火力発電所の復旧が遅れる中、冬に逆戻りの寒さ。東京電力管内では、電力需要が供給力を上回る可能性があり、政府が初の「電力供給ひっ迫警報」を出した。ひざ掛けやショールを活用して暖房の温度は低めに。使わない部屋の照明は消す。一人ひとりの小さな心掛けの積み重ねが大切!

東京電力管内で電力不足の恐れがあるとして、政府は3月22日、「需給ひっ迫警報」を初めて発令した。16日の福島沖地震で停止した火力発電所の復旧が遅れていることに加え、東日本では天候悪化で気温が低下、電力需要が高まる一方で、太陽光発電の電力低下も見込まれる。政府と東電は、不要な照明を消し、暖房温度の設定を20度にするなどの協力を求めている。

萩生田光一経済産業相は同日午後に臨時の記者会見を開き、「このままではブラックアウトを避けるために広範囲で停電せざるを得ない」と述べ、午後8時まで一段の節電を要請した。同相は、同日朝からの東電管内での節電要請の効果が目標水準を200万~300万キロワット下回っていると指摘。供給力が低下する同日夜に向け、「飲食店でのネオンの消灯などで協力してほしい」と呼び掛けた。

東電は、火力発電の出力増加や自家発電設備を持つ義侠への稼働要請、他の電力大手からの電力融通などあらゆる手段で供給力の確保を図っているが、供給力に対する需要の割合を示す「使用率」が午後2時台で107%に上昇。需給が逼迫する中、追加電源としても利用される「揚水発電」の稼働でしのぐ綱渡りの状況が続いている。

バナー写真 : PIXTA

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