Japan Data

コロナ禍、孤独感抱える人36.4% : 「同居人なし」「外出頻度低い」と募るさみしさ

社会 家族・家庭 暮らし 健康・医療

ランチタイムの社員食堂は “黙食” ルールでシーンと静まり返っている。年度替わりに人事異動があっても、大々的な歓送迎会はできなくなった。リモートワーク制度が定着して同じ部署であっても全員がそろうことはめったにない。学生時代の友人との飲み会もこの2年間一度もない。コロナ禍は、2年前まで当たり前だったコミュニケーションの機会を私たちから奪った。

政府は、新型コロナウイルスの影響による社会の変化で深刻化している孤立・孤独問題について初めて全国調査を実施した。2021年12月~今年1月に、無作為抽出した全国の16歳以上の2万人を対象に郵送やインターネットを通じて質問、1万1867人から有効回答を得た。

孤独を感じている人は、「常に」4.5%、「時々」14.5%、「たまに」17.4%を合わせて36.4%に上った。

孤独感が「常にある」と回答した人の割合が最も高かったのは、30歳代の7.9%、次いで20代の7.7%。一方、その割合が最も低かったのは、70歳代の1.8%だった。しかし、年齢階級と同居人の有無別で見ると、世代を問わず同居人がいいない1人暮らしの人が孤独を抱えていることが分かる。

雇用形態別では「失業中」「派遣社員」が高く、世帯年収別では年収が低いほど孤独を感じる傾向があった。外出頻度別では、外に出る日数が少ない人ほど孤独を感じている。

一方、孤独感が「常にある」と回答した人のうち、行政機関やNPO等の民間団体から困りごとに対する支援(無償のもの)を受けている人は8.2%にとどまった。政府や地方自治体は孤独・孤立対策を掲げているが、こうした情報が十分に必要な人に行き届いていないことも明らかになった。

バナー写真 : PIXTA

孤独 テレワーク 新型コロナウイルス 緊急事態宣言 ステイホーム リモートワーク コロナ禍