低成長の時代に生きる : 国や社会は変えられない、リスクをとって挑戦する気もない―18歳意識調査
社会 政治・外交 教育
「若者は強気で自意識過剰なぐらいがいい」と思うのは、日本が経済成長をおう歌した時代を知っている世代だろう。少子高齢化、人口減、経済低成長の時代を歩む今の若者たちは、将来への確信が持てない中で日々を過ごしている。
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日本財団が日本、米国、英国、中国、インド、韓国の6カ国6000人の若者を対象に2022年1月下旬から2月初旬にかけて実施した「18歳意識調査」で、日本の若者の自己肯定感の低さが際立つ結果が出た。
「日々の生活で不安や憂鬱を感じる」人は、日本が65.3%でトップ。コロナ禍で自由な生活が制限され、停滞ムードに覆われたのは世界共通だが、日本の若者はとりわけ心細い気分に陥っているようだ。
「人に誇れる個性がある」と答えたのは、日本では47.9%で、唯一、50%を割り込んだ。下から2番目の韓国とも20ポイント以上の差がついた。
「自国は国際社会でリーダーシップを発揮できる」と答えたのは、日本ではわずか22.8%で、中国(86.0%)、インド(79.7%)の約4分の1にとどまる。米国(61.5%)、英国(56.2%)も、中印からは大きく水をあけられている。
「自分の行動で国や社会を変えられる」と思う人は、先進7カ国(G7)構成国である米国、英国、日本がいずれも60%を割り込んでいる。中でも、日本は26.9%と圧倒的な最下位。
「国や社会に役立つことをしたい」と思う人は、日本では61.7%。トップのインド92.6%とは約30ポイントの開きがあった。
「リスクがあっても挑戦したい」人も、日本は49.0%と半数を割り込んだ。
何に対しても弱気な日本の若者と、前向きで強気な中国やインドの若者。その違いを経済面だけで説明できるわけではないが、国際通貨基金(IMF)が2022年4月19日に改定・公表した経済成長見通しからは、日本の若者が自己肯定できない理由の一端が見えてくるような気がする。
IMFの実質GDP成長率見通し(前年同期比、%)
| 2021 | 2022 | 2023 | |
|---|---|---|---|
| 日本 | 1.6 | 2.4 | 2.3 |
| 米国 | 5.7 | 3.7 | 2.3 |
| 英国 | 7.4 | 3.7 | 1.2 |
| 中国 | 8.1 | 4.4 | 5.1 |
| インド | 8.9 | 8.2 | 6.9 |
| 韓国 | 4.0 | 2.5 | 2.9 |
(2022年4月19日発表)
バナー写真 : PIXTA





