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梅雨シーズン到来:集中豪雨による河川氾濫、土砂災害に警戒を

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5月4日に沖縄、11日に奄美が梅雨入りし、6月に入ると九州以北(北海道を除く)でもうっとうしい天気が続くようになる。昨年(2021年)は7月3日、静岡県熱海市伊豆山地区で大規模な土石流が発生し、20人以上が死亡した。梅雨末期は十分な警戒が必要だ。

2021年の各地の梅雨入り、梅雨明け時期と、それぞれの平年値は下図の通り。九州南部、九州北部、四国、中国では5月中旬に早くも梅雨入りし、2カ月以上も梅雨が続いた。

2021年の梅雨入り・梅雨明けおよび平年値

2021年梅雨入り
(平年日)
2021年梅雨明け
(平年日)
沖縄 5月5日
(5月10日)
7月3日
(6月21日)
奄美 5月5日
(5月12日)
7月3日
(6月29日)
九州南部 5月11日
(5月30日)
7月11日
(7月15日)
九州北部 5月11日
(6月4日)
7月13日
(7月19日)
四国 5月12日
(6月5日)
7月19日
(7月17日)
中国 5月12日
(6月6日)
7月13日
(7月19日)
近畿 6月12日
(6月6日)
7月17日
(7月19日)
東海 6月13日
(6月6日)
7月17日
(7月19日)
関東甲信 6月14日
(6月7日)
7月16日
(7月19日)
北陸 6月13日
(6月11日)
7月14日
(7月23日)
東北南部 6月19日
(6月12日)
7月16日
(7月24日)
東北北部 6月19日
(6月15日)
7月16日
(7月28日)

(気象庁資料)

東京、大阪、名古屋、福岡など九州北部から関東甲信にかけては、平年で6月上旬に梅雨入りし、7月20日前後に梅雨明けする。梅雨期の降水量は、九州北部では500=600ミリ程度、関東甲信や東海では300ミリ程度となっている。

降水量は年によってばらつき

関東甲信の、過去30年間余りの梅雨期の平年比降水量は次の通り。年によってかなりばらつきがあり、1990年のように、平年の半分しか雨が降らない「空梅雨」のケースも。逆に2020年は梅雨明けが8月1日と遅く、平年の1.7倍の降水があった。

梅雨末期には降雨量が多くなることが多く、集中豪雨による河川の氾濫、土砂災害などの被害が毎年のように発生する。近年の梅雨シーズンに起きた主な豪雨被害は次の通り。

梅雨シーズンに起きた近年の主な豪雨被害

2021年7月1日-3日 北上した梅雨前線に暖かく湿った空気が次々に流れ込み、東海地方・関東南部で記録的な大雨。熱海市で土石流が発生し、26人死亡、1人行方不明。
20年7月3日-31日 長く停滞した前線の影響で西日本から東日本、東北地方の広い範囲で大雨。4日から7日にかけて九州で記録的な大雨となり、球磨川など多くの河川が氾濫。熊本県などで死者84人。
18年6月28日-7月8日 西日本を中心に広い範囲で記録的な大雨。広島、岡山両県などで死者220人以上に及び、うち岡山県倉敷市真備町だけで51人が死亡した。
17年6月30日-7月10日 前線停滞と台風3号の上陸などで、西日本から東日本にかけて大雨。特に7月5日から6日にかけて西日本で記録的な大雨となり、福岡県などで死者42人。

バナー写真:PIXTA

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