Japan Data

霞が関は “ブラック” なのか?― 10年未満で退職のキャリア官僚3年連続で100人超 

仕事・労働 社会 政策・行政 経済・ビジネス

スーパーエリートが目指す頂点の就職先―だったのも今は昔? “キャリア” と呼ばれる国家公務員総合職の人気が低下し、せっかく難関試験に合格しても、10年未満で退職してしまう人が増えている。

“キャリア” と呼ばれる中央官庁の総合職の若手職員の退職が増えていることを踏まえ、人事院は2022年5月、在職期間10年未満の退職状況を初めて調査・公表した。

2013年度から17年度までは10年未満で退職する人は100人以下で推移していたが、18年度は116人、19年度139人、20年度109人と3年連続で100人超となった。在職年数別に見ると、採用後1年未満の退職者数は横ばいである一方、3年未満、5年未満、10年未満で退職する人は増加傾向にあった。

国家公務員採用試験の総合職への申込者数も、17年度から21年度までは5年連続で減少。22年度は前年度比7.1%増の1万5330人と6年ぶりにプラスに転じたものの、21年度に次いで過去2番目に少なかった。

人気低下の背景としては、幹部職員の不祥事がメディアで大々的に報じられたり、国会対応で深夜までの長時間残業が珍しくないなど、ブラック職場化が指摘されている。

人事院は、具体的な退職理由は明らかしていないが、こうした調査結果を今後の人材確保施策の改善につなげていくとしている。

バナー写真 : PIXTA

国家公務員 中央官僚 キャリア官僚