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21年生まれの赤ちゃん、過去最少81万人 : 人口自然減が初の60万人超に

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「男女共同参画社会」「女性活躍推進」とキャッチフレーズだけが虚しく響く。相変わらず、家事も育児も女性に偏重した日本社会。育児休業で1年のブランクから復帰すると、今度は、保育園のお迎えのための時短勤務も女性が担うケースが圧倒的に多い。男性に比べて昇進が遅れたり、一旦、離職して非正規で働く選択を迫られたりする現実が待つ中で、積極的に産むという選択ができない人も少なくない。

厚生労働省が発表した人口動態統計(概数)によると、2021年に生まれた赤ちゃんの数(出生数)は、前年より2万9231人少ない81万1604人だった。1人の女性が生涯に産む子どもの数にあたる合計特殊出生率は6年連続で減少し、前年より0.03少ない1.30となった。

日本の人口動態

2021年(概数) 2020年(確定)
出生数(人) 81万1604 84万0835
合計特殊出生率 1.30 1.33
死亡数(人) 143万9809 137万2755
自然増減(人) ▲62万8205 ▲53万1920
婚姻数(件) 50万1116 52万5507
離婚数(件) 18万4386 19万3253

厚生労働省の人口動態統計をもとに編集部作成

死亡数は前年比6万7054人増の143万9809人と戦後最多。2020年は感染対策の強化でインフルエンザや呼吸器疾患で亡くなる人が減り、11年ぶりに死亡者数が減少に転じたが、再び、高齢化による増加基調に戻った格好だ。人口の自然減(出生数と死亡数の差)は62万8205万人と昨年より9万6000人以上増え、初めて60万人を超えた。

日本の出生数は終戦直後の第1次ベビーブーム(1947~49年)には250万人、第2次ベビーブーム(71~74年)には200万人を超えた。その後は一貫して減り続け、第2次ベビーブーム世代の出産ブームも起こらぬままに、2007年以降は自然減の幅が拡大している。

21年の婚姻数は前年よりも2万4391組(4.6%)減の50万1116組まで減少、戦後最少を記録した。コロナ禍で結婚を延期した人に加え、将来不安から結婚を躊躇(ちゅうちょ)する人も増えているとされ、少子化から抜け出す糸口が見だせない。

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