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2022年参院選:自民単独で改選過半数獲得し大勝 改憲勢力3分の2を上回る

政治・外交

2022年の参議院選挙は、自民党が今回改選125議席の過半数となる63議席を獲得し、大勝した。自公に日本維新の会、国民民主党などを加えた「改憲勢力」は、参議院の3分の2を上回ることになった。

維新が比例で立民上回る

第26回参議院議員選挙は7月10日に投開票され、新聞各社、NHKなどの報道によると、自民党は63議席を獲得し、単独で改選過半数(63)を確保した。公明党を合わせた連立与党の獲得議席は76。野党では立憲民主党が議席を減らす一方、日本維新の会が12議席を獲得して躍進した。維新は比例代表での議席数で立民を上回った。れいわ新選組は3議席を獲得した。

昨年10月に政権を発足させた岸田文雄首相にとり、これまでの政権運営が評価された形。今後約3年間国政選挙が予定されておらず、首相の政権基盤はしばらく安定しそうだ。

2022年参院選 各党の獲得議席数

合計 選挙区 比例代表
与党 自民 63 45 18
公明 13 7 6
野党 立憲民主 17 10 7
日本維新 12 4 8
国民民主 5 2 3
共産 4 1 3
れいわ 3 1 2
社民 1 0 1
N党 1 0 1
参政党 1 0 1
無所属 5 5
合計 125 75 50

注:神奈川県の「合併選挙」の結果を含む

与党に加え、維新、国民民主党を含めた「改憲勢力」の議席数は、非改選を含めた全議席で177となり、憲法改正発議に必要となる「3分の2」(166)を上回った。

投票率は52.05%で前回参院選(2016年)の48.80%を上回った。

今回選挙では、ロシアのウクライナ侵攻を受けた物価高騰への対応策、新型コロナ対策、安全保障政策などへの評価などが争点となった。選挙終盤の8日には、安倍晋三元首相が奈良市で演説中に銃撃を受け、命を落とすという痛ましい事件が発生した。

参議院の定数が3増の248となり、その半数の124議席が改選に。さらに、神奈川県で欠員を補充する「合併選挙」が行われたことで、125議席が争われた。

1人区で自民が躍進

野党4党は前回参院選で、32ある改選定数1の1人区で候補者を一本化する「野党共闘」を実現させたが、今回は限定的な調整にとどまった。このため1人区の結果は「自民28勝、野党系4勝」(前回は自民22勝、野党10勝)と自民が大きく伸ばした。

バナー写真:当選確実となった候補者名に花を付ける岸田文雄首相=2022年7月10日夜、東京都千代田区(時事)

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