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日本における発砲事件:2021年の発生は10件、死者1人

社会

銃が厳しく規制されている日本では、暴力団が関連しない発砲事件は極めて少ない。今回の安倍晋三元首相への銃撃事件に衝撃が広がっている。

自民党の最大派閥を率いる安倍晋三元首相が白昼堂々、それも国政選挙の選挙運動中に銃撃され、死亡するという前代未聞の事件が2022年7月8日、奈良市で発生した。日本では銃器による発砲事件は極めて少なく、政治家への襲撃・テロも、ここ20年で片手に満たない。

警察庁によると、2021年に起きた銃器発砲事件は10件。うち、暴力団が関与しない形での発砲事件はわずか2件しかなかった。発砲事件による死傷数は5人。内訳は死者1人、負傷者4人となっている。

2017年からの5年間を見ると、発砲事件の発生は年10~20件ほど。死傷者数は多い年で12人、少ない年で3人と、欧米諸国と比べて際立って少ない。

銃器発砲事件の発生状況(2017-2021)

事件数(うち暴力団関連) 死亡者数 負傷者数
2017 22(13) 3 5
2018 8(4) 2 1
2019 13(10) 4 8
2020 17(14) 4 5
2021 10(8) 1 4

出所 : 警察庁

警察の取り締まりにより、2021年に押収された拳銃の数は295丁。ここ5年間を見ると、押収数は300~400丁のレベルで推移している。拳銃またはその部品などを所持していたとして警察に銃刀法違反で摘発された人数は、2021年に全国で78人。うち29人が暴力団関係者だった。拳銃またはその部品の密輸入事件摘発件数は、2021年は2件。押収した拳銃は、わずか1丁にとどまった。

バナー写真:テロ対策訓練に臨む警視庁の銃器部隊=2017年6月、東京・日本橋本石町の日銀本店(時事)

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