Japan Data

2021年の山岳遭難2635件:身近な低山での発生が増える

スポーツ

富士登山など、夏山のシーズンが本番を迎えた。警察によると、2021年の山岳遭難件数は2635件(対前年比341件増)と2年ぶりに増加に転じた。新型コロナの影響で、身近な低山での遭難が増えている。

警察庁のまとめによると、21年の遭難者は3075人(対前年比378人増)。うち死者・行方不明者が283人(同5人増)、負傷者が1157人(同183人増)。登山ブームと近年言われる中、遭難件数はこの10年間で3割以上も増えている。

都道府県別でみると、最も山岳遭難発生が多いのは長野県の257件、次いで北海道197件、東京都157件。高尾山や奥多摩のある東京都は前年比で43%増と大幅アップした。新型コロナの影響もあって高い山よりも身近な低山で登山者が増え、遭難件数も増える傾向が見てとれる。

遭難者3075人を目的別でみると、登山(ハイキングやスキー登山、沢登りなどを含む)が77.9%。山菜・きのこ取りなどが11.3%。

遭難の原因は道迷いが41.5%と最も多く、次いで転倒(16.6%)、滑落(16.1%)、病気(7.1%)、疲労(6.6%)と続く。

遭難者のうち、40歳以上が2412人と全体の78.4%を占め、また60歳以上が1486人と全体の48.3%を占めている。死者・行方不明者では、40歳以上が263人と全体の92.9%を占め、60歳以上が203 人と全体の71.7%を占めている。

単独登山の遭難者1282人のうち、死者・行方不明者はその13.6%にあたる174人。2人以上の複数登山遭難者の死者・行方不明者の割合6.1%と比較すると、7.5ポイント高くなっている。

バナー写真:PIXTA

事故 登山 遭難