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“ゾンビ企業”16.5万社―帝国データ推計 : コロナ融資でさらなる延命も?

経済・ビジネス 社会

突然に世界を襲ったコロナ禍を乗り切るために、個人に対しても企業に対してもさまざま支援策が展開された。もちろん、それは必要な政策ではあったけれど…でも、ゾンビの延命につながった側面もある?

「支払うべきものを支払わない」「累積損失によって債務超過」「過剰債務を抱え、返済のリスケを繰り返す」―実質的に倒産状態であるにもかかわらず事業継続している企業は “ゾンビ企業” と呼ばれる。

帝国データバンクが国際決済銀行(BIS)基準(※1)ではじきだした2020年度のゾンビ企業率は11.3%、16.5万社だった。

2008年秋にリーマン・ショックが発生。09年に導入された中小企業金融円滑化法によって延命した企業が多く、11年度にはゾンビ企業が27.3万社に達した。その後、漸減し、16年度以降は14万社台で安定していたが、19年度からコロナ禍が始まった20年度にかけては2万社近く増加した。

20年度のゾンビ企業の特徴は、従業員数別では20人以下の企業が約7割、50人以下の企業で9割近くを占める。業種別では「建設」が34.3%で最も多く、「製造」「卸売」と続く。

帝国データバンクが2022年2月に実施した「新型コロナ関連融資に関する企業の意識調査」に回答した1万1562社のうち、“ゾンビ企業”は417社だった。全体ではコロナ関連融資を「借りた・借りている」は52.6%だったが、“ゾンビ企業”に限ると79.6%が融資を受けていた。

さらに、今後の返済見通しについての質問では、「返済に不安がある」と回答した企業は全体では9.0%だったが、“ゾンビ企業”に限ると15.5%に上った。

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(※1) ^ 3年以上にわたってインタレスト・カバレッジ・レシオ1未満、かつ設立10年以上

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