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平均寿命、10年ぶりに縮む―コロナがマイナス要因に : 女性87.57歳、男性81.47歳

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2021年に生まれた人が90歳まで生きる確率は、女性52%、男性27.5%。「人生100年時代」は単なるキャッチフレーズではなく、現実になりつつある。70代になっても、80代になっても働き続けなければならない日はもうすぐそこ?

厚生労働省が公表した、2021年日本人の平均寿命は女性87.57歳、男性81.47歳だった。過去最高だった20年と比べて女性は0.14歳、男性は0.09歳短くなった。前年を下回るのは東日本大震災があった11年以来で、女性・男性ともに10年ぶり。

平均寿命は、その年に生まれた0歳の子供があと何年生きられるかを示した指標。近年は延びる傾向が続いており、20年までは男性が9年連続、女性が8年連続で過去最高を更新していた。

平均寿命の前年との差を死因別に分解すると、新型コロナウイルスは、女性で0.07歳分、男性で0.10歳分縮んだ。20年はそれぞれ0.02歳、0.03歳だったので、前年よりも影響が大きかった。一方、がんや肺炎などは平均寿命を延ばす方向に働いており、長寿化のトレンドは継続しているとみられる。

21年生まれの日本人で90歳まで生きる人の割合は、女性52.0%、男性27.5%。95歳までは女性27.1%、男性10.1%となった。

21年生まれの人が将来がんで死亡する確率は、女性19.86%、男性27.66%。いまや、がんは不治の病ではなくなったとはいえ、男女ともに死因のトップ。人類ががんを克服して、がんで死亡する人をゼロにできれば、女性は2.81年、男性は3.43年寿命が延びると推計している。

主な国・地域別の平均寿命

  男性 女性
1 香港 82.97 香港 87.67
2 スイス  81.6 日本 87.57
3 ノルウェー 81.59 韓国 *86.5
4 日本 81.47 シンガポール 85.9
5 スウェーデン 81.21 スペイン 85.83

厚生労働省の公表資料を基に編集部作成  *は2020年データ

バナー写真:PIXTA

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