Japan Data

外国人技能実習生:来日前に半数超が借金、平均55万円―出入国在留管理庁の調査

社会

法務省出入国在留管理庁がこのほど実施した調査によると、技能実習生の半数以上が来日前に母国で借金をしており、その平均額は約55万円だった。

全体の85%が「来日前に母国の送り出し機関に何らかの費用を支払った」と回答し、その平均値は52万円。また、約1割の技能実習生が別の仲介者にも費用を支払っていた。

外国人が日本で働きながら技術を学ぶ技能実習制度は、かねて低賃金や長時間労働、人権侵害の多発が問題視されてきた。古川禎久法相は7月29日の記者会見で、「国際貢献という目的と人手不足を補う労働力としての実態がかい離しているとの指摘はもっともだ」と述べ、制度の見直しを検討する方針を示している。

調査は2021年12月から22年4月の5カ月間に、ベトナム、中国、インドネシア、フィリピン、ミャンマー、カンボジアの6カ国約2200人の実習生を対象に実施した。

それによると、来日前に母国の送り出し機関に何らかの費用を支払っている技能実習生の割合は85.3%。派遣手数料、事前教育手数料、保証金・違約金などの名目で、総額の平均(日本円換算)は52万1000円だった。国別の最高は、ベトナムの65万6000円。最も低かったのはフィリピンの9万4000円だった。

ベトナムの場合、11.5%の技能実習生が、送り出し機関以外の仲介者にも「紹介料」などの名目で費用を払っており、その平均値は44万6000円だった。

来日前に母国で借金をしている技能実習生の割合は54.7%。国別でみるとカンボジア(83.5%)、ベトナム(80.0%)が高い。

借金の総額の平均値は54万7000円。国別ではベトナム67万4000円、カンボジア56万6000円、中国52万8000円、ミャンマー31万5000円、インドネシア28万2000円、フィリピン15万3000円だった。

バナー写真:PIXTA

外国人労働者 技能実習制度