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企業の借入金利、初の1%割れ―帝国データバンク : コロナ関連融資で低金利に拍車

経済・ビジネス

質無利子・無担保の新型コロナ関連融資が急拡大して、21年度の企業の借り入れ金利は1%を下回った。しかし、世界的に政策金利引き上げの流れにあり、コロナ融資の返済も本格化しつつある。企業にとっては厳しい環境がすぐそこまで迫っている。

帝国データバンクの企業財務データ分析で、2021年度の企業の平均借入金利は 前年度から0.13ポイント低下の0.97%となり、初めて1%を割り込んだ。借入金利は、2007年度の2.33%をピークに14年連続で低下。例年0.10 ポイント前後の低下で推移してきたが、実質無利子・無担保の新型コロナ関連融資が急拡大した2020年度には0.26ポイントの大きな下げ幅となった。

都道府県別では、最も平均借入金利が低かったのは奈良県の0.67%。以下、香川県0.68%、富山県0.79%と続いた。新型コロナの影響が拡大する以前の2019 年度と比較
すると、全ての都道府県で低下した。

平均借入金利の推移

現状では貸出金利は低く抑えられているものの、23年春頃から新型コロナ関連融資の返済が本格化、利子補給期間が終了し、利払いが発生する企業も出てくることが想定される。帝国データバンクでは、「コロナ関連融資の利息支払い負担の増加は過剰債務・営業不振に直面する企業にとっては、大きなダメージとなりかねない」と指摘している。

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