
子どもの神経性やせ症が高止まり―成育医療研究センター調査 : コロナ禍のストレス影響
健康・医療 社会
マスク生活で先生やクラスメートの表情が読み取れない。楽しみにしていた学校行事が中止になり、休み時間や給食の時間も会話禁止。コロナ禍で一変した生活が子どもたちにとってどれほどのストレスだったか…。
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新型コロナウイルス流行で、「神経性やせ症」と診断される20歳未満の患者数が高止まりしていることが国立成育医療研究センター(東京)の調査で分かった。神経性やせ症は摂食障害の一種で、食事が食べられなくなったり、過食後に吐き出したりなどして体重が正常より明らかに少ない状態になる疾患。
同センターは2022年4~5月、全国の30医療機関にアンケート調査を実施。初めての外来診療で同症と診断された人数について、24機関から有効回答を得た。
2019年度に神経性やせ症と診断されたのは203人(男児18人、女児185人)だった。新型コロナウイルス流行初年度の20年度は1.6倍の318人(同27人、同291人)に急増、21年度も323人(男児37人、女児286人)に高止まりした。有効回答数は異なるが、同症で新たに入院した患者数も同様の傾向が見られた。
同センターでは、「生活環境の変化によるストレスや新型コロナに感染することに対する不安、コロナ太り対策のダイエットに関する報道などから影響を受けた可能性もある」と指摘。家庭や教育機関が、子どもの食欲や体重の減少に気を配り、深刻な状況になる前に医療機関の受診につなげるよう求めている。
バナー写真 : PIXTA