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台湾海峡で軍事紛争「ある」と中国の過半数が回答 日本でも4割超:日中合同世論調査

政治・外交 社会

日中共同世論調査の2022年の結果がこのほど発表され、台湾海峡で「数年以内」または「将来的」に軍事紛争が起きるとみる人の割合が中国側で56.7%、日本側でも44.5%に達したことが明らかになった。

調査は、日本の民間非営利団体「言論NPO」と中国国際出版集団が22年7月から9月にかけ、18歳以上の日本人1000人と、中国人約1500人から回答を得た。今回が18回目で、台湾海峡の緊張に関する設問が初めて盛り込まれた。

「台湾海峡で軍事紛争はあると思うか」という設問に、日本では34.1%が「将来的には起こる」、10.4%が「数年以内に起こる」と回答。「起こらないと思う」が9.0%、「分からない」が46.3%だった。

中国では、「将来的には起こる」が40.5%、「数年以内に起こる」が16.2%、「起こらないと思う」が29.9%、「分からない」が12.8%だった。

「台湾海峡で軍事紛争はあると思うか」という設問への回答割合

「東アジアで軍事紛争勃発の危険性がある地域」を一つ選択する設問では、日本側の回答で「台湾海峡」が最も多い25.0%と、「朝鮮半島」の24.3%を上回った。前年に「台湾海峡」とした割合は13.4%で、11.6ポイントも上昇した。

相互の印象「悪化」には歯止めも

日中両国民の相手国に対する印象を聞いた設問では、前年の調査結果に比べ、わずかながら改善が見られた。中国に「良くない」印象を持つと答えた日本人は、前年比3.6ポイント減の87.3%。日本に「良くない」印象を持つと答えた中国人は同3.5ポイント減の62.6%となった。

日本に良い印象を持つと答えた中国人は、3.2ポイント増の35.2%、中国に良い印象を持つと答えた日本人は2.8ポイント増の11.8%だった。

相手国に対する印象

日本人が中国に良くない印象を持つ理由は、中国の「尖閣諸島周辺の侵犯」(58.9%)が最も多く、「政治体制に違和感を覚える」(51.5%)が続いている。

中国人が日本に良くない印象を持つ理由は、日本が「侵略した歴史をきちんと謝罪し反省していないから」(78.8%)が最も多く、次いで「魚釣島周辺の国有化で対立を引き起こした」(58.9%)となっている。

バナー写真:日中首脳会談の冒頭、握手する岸田文雄首相(左)と中国の習近平国家主席=2022年11月17日、タイ・バンコク(時事)[代表撮影]

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