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実現するか「貯蓄から投資へ」 : NISA上限額1800万円に拡大

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日銀が12月19日発表した2022年7~9月の資金循環統計によると、9月末時点の個人金融資産残高は前年同月比0.8%増の2005兆円。このうち現・預金は同2.5%増の1100兆円。欧米が利上げに踏み切る中、日本だけが超低金利政策を続けていても、投資より預貯金選好の日本。非課税で運用できるNISAの拡充で、貯蓄から投資への流れはできるのか? 

投資信託や株式を有利に運用できる少額投資非課税制度(NISA)が2024年1月から大幅に拡充される。金融取引の運用益からは、通常であれば20.315%の税金が差し引かれるので、NISAの活用は個人の資産形成に大きなメリットをもたらす。

新NISAでは、これまで分離されていた「つみたて型」と「一般型」を一本化し、両タイプを併用して運用できるようになる。「つみたて投資枠」は投資信託を対象とし、年間投資額の上限を現行の40万円から120万円に引き上げる。「成長投資枠(現在の一般NISAから名称変更)」は上場株式も含めて運用でき、上限は120万円から240万円にアップ。生涯非課税限度額を1800万円とし、このうち成長投資枠に1200万円使える。

現行の制度は投資で得られた利益に対する課税免除の優遇期間が限られているが、新制度では無期限となる。長寿化が進む中、長期の資産運用で老後に備えるニーズに対応する。

現行のNISA制度の概要

  つみたてNISA 一般NISA
投資対象 長期投資に適した投資信託 株式や投資信託
対象 成人 + 未成年の子や孫に代わって運用するジュニアNISA
非課税期間 20年 5年
年間限度額 40万円 120万円
投資上限 800万円 600万円

新しいNISA制度の概要(2024年~)

  つみたて枠 成長投資枠
投資対象 投資に適した投資信託 株式や投資信託
開始時期 2024年1月
対象 18歳以上(ジュニアNISAは廃止)
非課税期間 無期限
年間限度額 120万円 240万円
投資上限 1800万円

バナー写真 : PIXTA

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