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貿易赤字、過去最大の19.9兆円 ―2022年 : 資源高に円安が拍車

経済・ビジネス 社会

貿易大国として、黒字を積み上げていたことは、いまや昔話? 資源高に円安が重なり2022年の日本の貿易収支は過去最大19兆9713億円の赤字となった。

財務省が公表した2022年の貿易収支(輸出額から輸入額を引いた額)は19兆9718億円の赤字となった。赤字幅は14年の12兆8161億円を大きく上回り、比較可能な1979年以降で過去最大。赤字は2年連続。ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格の高騰に円安が重なり、輸入額が大きく膨らんだ。

対世界 貿易収支の推移

輸入額は前年比39.2%増の118兆1573億円で、史上初めて100億円を突破した。品目別では、原油粗油13兆2701億円(91.5%増)、LNG=液化天然ガス8兆4493億円(97.5%増)などが大きく伸びた。原油価格は、円建てで前年比76.5%、ドル建てで47.6%上昇。円建て単価は1キロリットル当たり8万4728円と過去最高だった。

輸出は、自動車5兆636億円(21.4%増)、鉄鋼4兆7388億円(24.2%増)などが好調で前年比18.2%増の98兆1860億円で過去最高を更新したが、輸入の増加には追い付かなかった。

国・地域別では、対米国は6兆5356億円の黒字だったが、対中国は5兆8270億円の赤字。エネルギー価格の上昇で対中東は12兆6450億円の赤字となった。

かつて日本は「輸出大国」として巨額の貿易黒字を積み上げ、米国との間で激しい貿易摩擦が生じたこともあった。黒字を稼いだ自動車や電機は海外生産が進んだ一方で、2011年の東日本大震災を契機とした火力発電回帰でLNGや原油の輸入が急増。資源価格と為替次第で貿易赤字が膨らむ苦しい環境に立たされている。

対米国 貿易収支の推移

対中東 貿易収支の推移

対中国 貿易収支の推移

バナー写真 : 東京港のコンテナエリア(ロイター)

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