
救急出動件数が再び増加:2021年は619万件―5.1秒に1回の割合
社会
コロナ禍の「巣ごもり傾向」を反映していったん減少した救急車の出動件数が、2021年に増加に転じた。22年の全国統計はまとまっていないが、各地で「過去最多を記録した」との報道発表が相次いでいる。
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総務省消防庁の発表によると、2021年の全国の救急車出動件数は619万3581件(対前年比約26万件増、4.4%増)、搬送者数は549万1744人(同約19万人増、3.7%増)だった。
出動件数は1日平均1万6969件で、5.1秒に1回の割合。搬送者数を見ると、日本国民の23人に1人が救急搬送されたことになる。
コロナ禍の特殊な要因は例外として、高齢者の増加などを反映して救急出動件数、搬送者数は一貫して増加傾向にある。
救急出動件数の内訳を事故種にみると、「急病」が405万4706件(対前年比5.3%増)、「一般負傷」が96万9130件(同1.8%増)、「転院搬送」が51万8483件(同5.6%増)、「交通事故」が36万8491件(同0.6%増)など。
20年前の2001年と比較すると、「交通事故」の割合が大きく減少する一方、「急病」が10ポイント近く増加している。
救急車搬送人員の内訳を年齢別にみると、、65歳以上の高齢者が339万9802人(対前年比3.1%増)、18歳以上65歳未満の「成人」が170万7782人(同3.2%増)、生後28日以上7歳未満の「乳幼児」が21万962人(同19.0%増)などとなっている。
高齢者の搬送人員全体に占める割合は、2001年には38.5%だったが、21年には61.9%と大幅に増加している。
2021年中、救急車の現場到着所要時間(入電から現場到着までにかかった時間)は、全国平均で9.4分、病院収容所要時間(入電から医師引き継ぎまでにかかった時間)は同42.8分だった。20年前の2001年の数字は現場到着まで6.2分、病院収容まで28.5分で、いずれもより時間がかかる傾向が続いている。
バナー写真:PIXTA