食品値上げ、8月にも2万品目突破か―帝国データバンク : コストアップ長期化で複数回値上げが常態化
経済・ビジネス 暮らし 社会
原材料高、エネルギー高、円安が重なり、食品メーカーはコストアップ分の価格転嫁を余儀なくされている。2022年から始まった食品値上げの嵐は、収束の見通しが立たず、消費者の苦しさは増すばかり。
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帝国データバンクの食品主要195社を対象とした調査で、2023年の値上げ品目が4月までに1万5000品目を突破する見通しとなった。2月の5528品目に続き、3月は3442品目、4月4892品目と値上げの動きが留まる気配はない。
帝国データバンクは、「コストアップの長期化を見越し、1回に大幅値上げをするのではなく、複数回・小分けした値上げへのトレンド変化がみられる」としており、23年の値上げ品目数累計は8月にも2万品目を超える可能性があるという。
これまでに判明している値上げ1万5813品目のうち98%以上が原材料高を理由としている。また、原油高などのエネルギー(86%)、プラ容器などの包装・資材(70%)も多くの品目に共通する理由となっている。今後は、4月の輸入小麦の価格改定に加え、鳥インフルエンザの流行による鶏卵の供給不足がさらなる値上げ圧力となりそうだ。
食品分野別では、加工食品(8022品目)が最多で、4月にチルド麺や缶詰、ウインナー類の大規模な値上げラッシュが控える。飼料高などで生乳取引価格が上昇している乳製品(760品目)で、牛乳やバター、ヨーグルト製品が4月に一斉値上げする。帝国データバンクは「前年累計(1225品目)に迫る勢いで推移しており、今後さらに増加する可能性もある」としている。
バナー写真 : PIXTA