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日本人の仕事観:「生涯現役希望」8%、世界全体の5倍も―人材サービス企業の調査で

社会

総合人材サービス大手のランスタッド(本社オランダ)が実施した世界規模の労働者意識調査で、日本では8%が「生涯引退したくない」と回答。その割合は世界全体(1.5%)の5倍に及んだ。

調査は「ワークモニター2023」の名称で、2022年10月に欧州、アジア太平洋、南北アメリカの34の国・地域で実施。個人事業者や求職者も含む3万5000人からオンラインで回答を得た。日本の調査対象者は1000人で、ほぼ男女同数だった。

それによると、できるなら「60歳までに引退したい」と考える人が世界全体では半数以上だったのに対し、日本では23.8%にとどまった。逆に「生涯現役でいたい」との回答は世界全体では1.5%、日本では8%と、日本人の仕事観のユニークさが浮き彫りになった。

できるなら何歳で引退したいか

この設問で「今すぐにでも引退したい」との回答は日本12.9%、世界全体8.4%との結果が出ている。しかし、この回答をした日本人129人のうち、半数以上は18歳から34歳の年齢層だった。45~54歳の年齢層で「今すぐにでも引退したい」と答えたのは10.3%、55~67歳では3.5%にとどまった。

仕事に「やりがい」は求めない?

「元気なうちは働く。自分のことは自分でする」との規範が日本では高い一方で、「仕事は人生にとって重要か」「やりがいを与えるか」といった、仕事への向き合い方に関しては、世界全体に比べて「クールな」回答が目立った。

日本と世界:主な回答の比較

【雇用・職場環境】

日本 世界全体
職を失うことが心配だ 35% 37%
失職してもすぐに次の仕事を見つけられる自信がある 51% 50%
私の仕事は勤務時間に関して柔軟性がある 55% 57%

【やりがい・帰属意識】

日本 世界全体
人生において仕事は重要だ 48% 72%
仕事はやりがいを与えてくれると感じる 38% 57%
帰属意識が持てなければ仕事を辞める 23% 54%

【勤勉さ・従順さ】

日本 世界全体
最小限の仕事しかしない 11% 31%
ワークライフバランスに悪影響を与えると思われる仕事は引き受けない 48% 61%
私生活に合わないという理由で仕事を辞めたことがある 17% 33%

ランスタッド2022調査(調査対象者は世界全体で3万5000人、うち日本人1000人)

上の表では主な設問に対する、日本と世界全体の回答を比較している。「職を失うことへの心配」「現在の職場の労働環境」などを問う設問では、両者に目立った違いはない。

しかし、仕事の「やりがい、帰属意識」を尋ねる設問では、日本は「淡々と、悪く言えば仕方なく」働いている人が多いような数字が並ぶ。戦後しばらくは、日本企業に対する社員の帰属意識は「高い」と言われていたが、この調査では「今や昔」という結果となっている。

ワークライフバランス、私生活と仕事の兼ね合いでは、日本は世界全体に比べ「滅私奉公的」な価値観が比較的高いという結果が出ている。

バナー写真:PIXTA

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