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雇用安定は魅力だけど…年功序列は不利! ―日本で働く外国人アンケート : 母国でのテレワーク希望5割超

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日本の雇用慣行もひと昔前とはだいぶ変わってきたように思うけれど、日本で働く外国人にとっては「年功序列」はいまだに高い壁になっている。外からの客観的な声に耳を傾けることで、日本人にとっても働きやすく、実力を発揮しやすい職場にできるかも。

外国人留学生就職情報サイト「リュウカツ」を運営するオリジネーター(本社東京)が、同サイトに登録する日本で働く外国人社員を対象にアンケート調査を実施。「日本で働いて良かったこと」を複数選択で聞いたところ、「雇用が安定」54.0%で、2位の「やりたい仕事ができる」25.8%と倍以上の差がついた。世界的に先行き不透明な経済情勢が続く中、日本企業に浸透している「長期雇用」は外国人社員にとって魅力となっているようだ。

日本で働いてよかったこと(複数回答)

一方、「日本で働いてがっかりしたこと」では、「給与水準が高くない」が51.6%でトップ。以下、「日本語ネイティブでないことへの配慮不足」30.6%、「外国人だと昇給・昇進できない」29.0%、「残業が多い」27.4%が続いた。

外国人社員の活躍・定着には、日本人社員側の意識改革や人事評価制度・働き方の見直しが求められる結果となった。

日本で働いてがっかりしたこと(複数回答)

日本で継続的に働くために望む制度としては、半数以上の54.8%が「帰国のための連続休暇制度や母国でのテレワーク勤務」と回答。次いで、「客観的な業績評価制度(実力主義)」41.9%、「資格取得支援制度」39.5%だった。

日本でスキルアップや昇進が難しいと感じる理由としては、「外国人は昇進に不利」「実力よりも年功序列」が上位に入った。自由記述でも、「昇進を年功序列から実力主義にシフトしてほしい」「外国人に対しての評価を改善してほしい。言葉の壁もあり、同じ基準で評価されると昇給ができない」など、評価制度の見直しを求める声が多かった。

継続して働くために企業に望む制度(複数選択)

日本企業でスキルアップや昇進が難しいと感じる理由(1つ選択)

調査は2023年2月に日本で働いている(または、働いたことがある)外国人社員を対象に日本語と英語で実施。124人から有効回答があった。

バナー写真 : PIXTA

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