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救急出動過去最多―2022年 : 高齢化で搬送需要増加、初の700万件超

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急病や事故で大きなけがをしたとき、119番に電話をすれば救急車が来てくれる―子どもの頃からそう教えられてきた。社会の高齢化とともに、救急搬送需要が増加しているが、半数近くは入院が必要のない軽症だという。本当に必要なときに、必要な場所に救急車が出動できるよう、適正利用を心掛けたい。

総務省消防庁のまとめで、2022年の救急車による救急出動件数は、前年比16.7%増の722万9838件となり、1963年の集計開始以来の最多を更新、初めて700万件を突破した。搬送された人の数も、同13.2%増の621万6909人で最多を更新した。

救急車の出動件数と搬送人員の推移

搬送人員のうち6割超にあたる386万2874人が65歳以上の高齢者だった。年齢区分別の搬送人員の5年ごとの推移をみると、0~65歳まではほぼ横ばいだが、高齢者の人数が急増している。社会の高齢化により、搬送需要が高まっていることが、出動要請の増加につながっていると考えられる。

年齢区分別の搬送人員と構成比の5年ごとの推移

搬送された人の事故種別では、新型コロナウイルス感染疑いを含む「急病」が67.4%に当たる418万9220人で、「一般負傷」15.8%、「交通事故」5.6%が続いた。また、傷病程度別では、入院加療を必要としない「軽症」が293万8525人で全体の47.3%を占め、入院が必要な「中等症」43.5%が続いた。

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