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2022年の日本の軍事費6兆円、韓国に次ぎ世界10位に―スウェーデンのSIPRI調査

政治・外交

世界全体で支出される軍事費は2022年の1年間で2兆2400億ドル(約294兆円)。日本はその2.1%にあたる460億ドル(6兆403億円)を支出。これは世界10位の水準だ。

スウェーデンに本部があるストックホルム国際平和研究所(SIPRI)がこのほど公表した2022年の世界の軍事支出に関する調査によると、日本の軍事支出は460億ドル(6兆403億円)で前年より1つ順位を下げて世界10位となった。

世界全体では推定で前年比3.7%増の2兆2400億ドル(約294兆円)となり、統計を継続的に取り始めた1988年以降で最高となった。

世界の軍事支出上位10カ国は、8770億ドルだった米国を筆頭に、推定で2920億ドルの中国、推定864億ドルのロシアと続き、以下、インド、サウジアラビア、英国、ドイツ、フランス、韓国、日本の順。ロシアとサウジアラビア、韓国が前年より順位を上げた。ロシアの侵攻を受けたウクライナの軍事費は、前年比6.4倍となる440億ドル。世界11位の水準(前年は36位)となった。

上位15カ国の合計は1兆8420億ドルで、全体の82%を占めた。

世界の軍事費上位10カ国

順位 2022年(10億ドル) 対GDP比
1(1) 米国(877) 3.45%
2(2) 中国(推定292) 1.60%
3(5) ロシア(推定86.4) 4.06%
4(3) インド(81.4) 2.43%
5(8) サウジアラビア(推定75) 7.42%
6(4) 英国(68.5) 2.23%
7(7) ドイツ(55.8) 1.39%
8(6) フランス(53.6) 1.94%
9(10) 韓国(46.4) 2.72%
10(9) 日本(46.0) 1.08%

(注)順位のカッコ内は2021年
ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の資料より作成

日本の国内総生産(GDP)に占める軍事支出の割合は、2022年は1.08%となった。世界のGDPに占める軍事支出の割合は2.2%で、軍事費トップの米国は3.5%、中国は推定1.6%、ロシアは推定4.1%だった。

日本の軍事支出は、1988年には3兆6700億円だったが、90年に4兆円台に突入し、90年代を通して増加傾向を続けた。2000年代以降は概ね5兆円前後で推移。2022年に初めて6兆円を突破した。岸田文雄首相は27年度の防衛費を9兆円程度に増額する意向を示しているが、実現した場合は単純比較で世界3位となる計算だ。

日本の軍事費の推移

バナー写真:陸上自衛隊の富士総合火力演習で水陸両用車AAV7から降車する水陸機動団の隊員=2022年5月28日、静岡県の東富士演習場(時事)

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