
漆の国内生産量はわずか2000キロ : 漆器づくりは輸入漆に依存
歴史 文化 経済・ビジネス
箸や味噌汁の椀など日本人の日々の生活に欠かせない漆器。しかし、国産の漆生産量はごくわずかで、漆器のほとんどは中国など海外から輸入した漆に頼っている。
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かのマリー・アントワネットも愛好したという日本の漆器。漆文化は東アジア、東南アジア地域に広がるが、大航海時代、ヨーロッパでは特に日本の漆器に対する評価が高く、japanが漆器全般を指す言葉として使われるようになった。
そんな日本を代表する塗料である漆だが、2021年の特用林産物統計調査によれば、国内産地は1道1府11県で、生産量はわずか2035キロ。漆器づくりに使われる漆のほとんどは中国などからの輸入に頼っている。
文化庁は2018年度から、国宝や重要文化の保存修理には原則として国産漆を使用する方針を打ち出した。保存修理には毎年2000キロ以上の漆が必要とされており、この量をまかなうことすら危うい状態にある。
バナー写真 : PIXTA