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肉筆で記した平和への思い : G7首脳とゼレンスキー大統領の原爆資料館での記帳内容

政治・外交 社会

被爆地・広島で開催された先進7カ国(G7)首脳会議。首脳らは平和記念資料館(原爆資料館)を視察、被爆者と面会して話を聞き、その後、慰霊碑にそろって献花した。G7のうち米・英・仏の3カ国の核保有国だが、視察を通して核なき世界に一歩近づけたのだろうか。G7首脳とウクライナ・ゼレンスキー大統領が芳名録につづった平和への思いを紹介する。

岸田文雄首相

歴史に残るG7サミットの機会に議長として各国首脳と共に「核兵器のない世界」を目指すためにここに集う。

岸田文雄首相
岸田文雄首相

米国 バイデン大統領

この資料館で語られる物語が、平和な未来を築くことへの私たち全員の義務を思い出させてくれますように。世界から核兵器を最終的に、そして、永久になくせる日に向けて、共に進んでいきましょう。信念を貫きましょう!

バイデン大統領の芳名録
バイデン大統領

英国 スナク首相

シェイクスピアは、「悲しみを言葉に出せ」と説いている。しかし、原爆の閃光(せんこう)に照らされ、言葉は通じない。広島と長崎の人々の恐怖と苦しみは、どんな言葉を用いても言い表すことができない。しかし、私たちが、心と魂を込めて言えることは、繰り返さないということだ。

スナク英首相
スナク英首相

フランス マクロン大統領

感情と共感の念をもって広島で犠牲となった方々を追悼する責務に貢献し、平和のために行動することだけが、私たちに課せられた使命です。

マクロン仏大統領
マクロン仏大統領

カナダ トルドー首相

カナダは、多数の犠牲となった命、被爆者の声にならない悲しみ、広島と長崎の人々の計り知れない苦しみに厳粛な敬意を表する。あなた方の体験はわれわれの心に永遠に刻まれるだろう。

トルドーカナダ首相
トルドーカナダ首相

ドイツ ショルツ首相

この場所は、想像を絶する苦しみを思い起こさせる。私たちは今日ここでパートナーたちとともに、この上なく強い決意で平和と自由を守っていくとの約束を新たにする。核の戦争は決して再び繰り返されてはならない。

ショルツ独首相
ショルツ独首相

イタリア メローニ首相

本日、少し立ち止まり、祈りを捧げましょう。本日、闇が凌駕するものは何もないということを覚えておきましょう。本日、過去を思い起こして、希望に満ちた未来を共に描きましょう。

メローニ伊首相
メローニ伊首相

EU ミシェル大統領

80年近く前、この地は大いなる悲劇に見舞われました。このことは、われわれG7が実際何を守ろうとしているのか、なぜそれを守りたいのか、改めて思い起こさせます。それは、平和と自由。なぜならば、それらは人類が最も渇望するものだからです。

ミシェルEU大統領
ミシェルEU大統領

EU フォンデアライエン欧州委員長

広島で起きたことは、今なお人類を苦しめています。これは戦争がもたらす重い代償と、平和を守り堅持するというわれわれの終わりなき義務をはっきりと思い起こさせるものです。

フォンデアライエン欧州委員長
フォンデアライエン欧州委員長

ウクライナ ゼレンスキー大統領

資料館の訪問に深く感銘を受けた。世界中のどの国も、このような苦痛と破壊を経験することがあってはいけない。現代の世界に核による脅しの居場所はない。

ゼレンスキー
ゼレンスキー大統領

芳名録の写真はすべて時事。和訳は外務省の仮訳
バナー写真 : 平和記念資料館を見学後、芳名録に記帳するG7首脳(ロイター)

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