
日本の水産物輸出 : 対中比率22.5%、主力のホタテの半分は中国へ
経済・ビジネス 政治・外交 食
中国へのホタテ輸出の増加が、日本の水産物輸出の底上げ要因となってきた。今、中国依存の高さが痛手となっている。
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東京電力福島第1原発の敷地内にたまる処理水の海洋放出が8月24日から始まった。これを受けて中国は日本産水産物の全面禁輸を発表した。
2022年の日本の水産物輸出は3873億円。このうち、対中国は871億円で全体の22.5%を占める、最大の輸出先だ。
日本の水産物輸出の主力はホタテガイ(生鮮、冷凍、冷蔵、乾燥など)で、2022年は前年比4割増の約910億円と過去最高を記録した。このうち51.3%に当たる467億円が中国向けだ。
対中国ホタテガイ輸出は、2009年はわずか7億円だったものが、2010年以降、右肩上がりに増えている。干し貝柱が伝統的な中国料理の食材として需要が高いことに加え、近年は日本食ブームで殻付きの生鮮ホタテが北京や上海に空輸されている。また、中国の業者が日本から殻付きのホタテを輸入し、むき身にするなどして最大の需要国である米国に輸出するケースも増えているという。
中国による日本産の水産物の輸入停止を受けて、政府は水産事業者などへの緊急支援として、ホタテを一時的に買い取って冷凍保管したり、新たな輸出先の開拓などを支援したりする方向で調整を進めている。
バナー写真 : PIXTA