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東京での落とし物、2022年は過去最高の現金40億円弱が警察に届く:コロナ禍以前より人々のモラルは向上?

社会

警視庁によると、2022年の1年間に東京都内で警察に届けられた落とし物、忘れ物は343万3800件(前年比21.9%増)、うち現金は39億9652万円(同18.3%増)だった。

届けられた現金の額は、コロナ禍前の2019年以来3年ぶりに過去最高を更新。一方、遺失届があった額は69億5283万円で、単純計算すると、57.4%が警察に届けられたことになる。19年は、この割合は46.0%。この数年で、都会では人々のモラルが向上したのか、それとも、お金を落としても警察に相談しない人が増えたのか…。

遺失届・拾得届があった現金の額の推移

警察に届けられた落とし物、忘れ物の物品点数は、370万7990点(同22.8%増)に上った。上位品目をみると、最多は免許証やクレジットカードなど「証明書類」の73万2358点で、物品全体に占める割合は19.8%。以下、交通系ICカードや定期券、商品券など「有価証券類」の39万682点(10.5%)、「衣類・履物類」の32万9826点(8.9%)、「財布類」の30万6474点(8.3%)、「傘類」の28万763点(7.6%)など。

「携帯電話がない」1日に540台

「紛失した」と持ち主が届け出た携帯電話の数は、19万7544点。1日あたり540台余りに上る。一方、拾得物として警察に届けられたのは12万7577点。「落とし主」の元には最終的に、半数以上の11万525点が戻っている。

主な品目の受理点数(2022年)

警察庁によると、届けられた拾得物は、3カ月経っても遺失した持ち主が見つからなければ拾い主に所有権が移る。ただし、その後2カ月の引き取り期間を過ぎると、所有権は拾い主から都道府県に移ることになる。

拾得届のあった現金の処理状況をみると、39億9652万円のうち、落とし主に返還されたのは29億5494万円、拾い主に引き渡されたのは4億7889万円、都の帰属になったのは5億2330万円だった。

バナー写真:警視庁遺失物センターに届いた忘れ物の傘。2023年6月19日、東京都文京区(時事)

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