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10月の食品値上げ4634品目 : 酒税法改正で第3のビールの割安感がそがれる

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2022年から始まった値上げの嵐もようやくピークを過ぎつつあるという。とはいえ、今年の累計の値上げ品目は3万を超え、買い物のたびにどんよりとした気分になる。10月は庶民の味方だった「第3のビール」も値上げされた。

帝国データバンクの食品主要195社を対象とした調査で、10月の飲食料品値上げは、合計で4634だった。酒税引き上げが影響した「第3のビール」を中心に、発泡酒、日本酒など酒類・飲料が全体の7割を占めた。ハム・ソーセージなどの加工食品やアイス・氷菓類、チョコレート菓子など再値上げした品目もあり、2023年の単月としては2月、4月に次いで3番目に多かった。

2023年通年の値上げ品目数は予定も含めて累計3万1887品目となる。バブル崩壊以降で類を見ない記録的な値上げラッシュとなったものの、10月の品目数は前年10月(7864品目)と比べて6割の水準にとどまり、3カ月連続で前年同月を下回った。前年の急激な原材料高については、小売り価格への転嫁が一巡したことから、帝国データバンクでは、「値上げは10月をいったんのピークとして年末にかけて小康状態が続く」とみている。

ただ、1ドル140円台後半の円安水準が長期化しており、輸入食材は国際相場では下落しても値下がりの恩恵を受けにくい。また、物流費や包装資材の高騰、電気・ガス代などの高止まりで、24年以降も断続的に値上げが続く可能性があるという。

2022-23年の食品値上げ(9月29日時点)

バナー写真 : 増税を前に、店内に積み上げられた第3のビールのケース=9月21日、東京都大田区のMEGAドン・キホーテ大森山王店(時事)

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