内閣の要・官房長官 : 平成以降で首相になったのは4人、任期途中で辞任は4人（2025年9月17日時点）

首相に次いで露出度の高い政治家といえば、内閣官房長官。1日2回の官房長官定例会見では、内閣の「スポークスマン」として政策について基本的な見解を示す。しかし、外向きの仕事はほんの一部であり、省庁にまたがる政策の調整、閣内のネゴシエーション、首相と党とのパイプ役、危機管理、スキャンダル対応など広範な重要ミッションを担う。

「首相の女房役」「懐刀」「内閣の要」とも呼ばれ、多くの場合は首相に近く、調整能力の高い実力派の政治家が就く。時として「影の首相」として大きな影響力を持つが、参謀に徹するタイプの人も多く、平成に入って1989年からの官房長官経験者30人のうち首相になったのは小渕恵三氏、福田康夫氏、安倍晋三氏、菅義偉氏の4人だけ。

在任期間が長い官房長官

福田氏は2つの連続した政権で官房長官を務めた / 保利氏の在任日数は1951年～52年と68年～71年の連続しない時期のものを通算している

実力派のポストだけに、官房長官が途中辞任するのも異例。平成以降では4人のみ。海部内閣の山下徳夫氏、森内閣の中川秀直氏が女性スキャンダルで、小泉内閣の福田康夫氏が国民年金保険料の未納問題で辞任した。岸田内閣の松野博一氏は政治資金問題をめぐる疑惑で事実上の更迭となった。

女性の官房長官は憲政史上、第1次海部内閣の森山真弓氏1人だけ。前任の山下徳夫氏が途中辞任で、環境庁長官（当時）からの閣内横滑りでの就任だった。

平成以降の官房長官（★は後に首相就任 / ◆は任期途中辞任）

2020年9月1日付【平成以降、首相になった官房長官は3人 : 長期在任は菅氏が圧倒的】をベースにして、その後の情勢を反映させて新たなコンテンツとして公開した

バナー写真：官房長官を務め、後に首相になった4人。左から小渕恵三氏（時事）、福田康夫氏（ロイター）、安倍晋三氏（ロイター）、菅義偉氏（ロイター）。いずれも、官房長官時代。