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日経平均株価、34年2カ月ぶりの最高値更新 : 「失われた30年」の間にNY市場は14倍に成長

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ニューヨークダウ工業株価30種平均は2月22日、前日終値比456.87ドル高の3万9069.11と史上最高値を更新。終値として初めて3万9000ドル台に達した。ちなみに、1989年のダウ平均は2700ドル台で、この34年間で14倍に拡大したことになる。日経平均株価は34年2カ月の長い長いトンネルを経て、ようやく89年の水準まで戻った。

米半導体大手エヌビディアが2月21日発表した2023年11月-24年1月期決算は、売上高と純利益が四半期ベースで過去最高を記録。半導体需要の堅調ぶりを好感して、22日の日米欧の株式市場ではIT関連銘柄中心に買われ、史上最高値の更新が相次いだ。

東京株式市場の日経平均株価の22日の終値は、前日比836円52銭高の3万9098円68銭と、初めて3万9000円台をつけた。1989年12月29日の大納会で記録した最高値3万8915円87銭を、実に34年2カ月ぶりに更新した。

日経平均株価の推移

バブル経済崩壊後、日本経済は後に「失われた30年」と呼ばれる長期低迷期に突入。97-98年にかけては、山一証券、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行など金融機関の破たんが相次ぎ、2000年以降はデフレが深刻化。リーマン・ショックを引き金とする世界同時不況で、日経平均株価は09年3月にバブル後最安値の7054円98銭まで落ち込んだ。

2013年に日銀の黒田東彦総裁が「異次元の金融緩和」を掲げ、国債や上場投資信託(ETF)を大量購入、15年4月に株価は15年ぶりに2万円台を回復。2020年に世界を襲ったコロナ禍で、各国政府が大規模な経済対策を打ち出し、金融緩和と財政出動を通じて大量の資金が市場に供給されたことも追い風となった。世界的な株高の中で出遅れていた日本株は、円安の進行でさらに割安感が強まり、海外投資家の資金が流入し、34年2カ月ぶりの最高値更新が実現した。

ただ、この間、世界の株式市場は大きく成長しており、東京市場の存在感は低下している。米ニューヨーク市場のダウ工業株30種平均は1989年の2700ドル台から、約14倍に成長し22日は3万9000ドルの最高値を記録。中国の上海証券取引所の上海総合指数は90年12月の基準値の約30倍に拡大した。89年には米国に次ぐ第2位だった日本の名目GDP(国内総生産)は中国、ドイツに抜かれ、23年に4位に転落した。少子高齢化、人口減少、巨額の政府債務と課題が山積する中で、「失われた30年」の暗いトンネルの先に、どんな軌道が続いているのか?

バナー写真 : ロイター

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