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広島原爆資料館入館者が過去最多の176万人:2023年度 G7サミット開催など追い風

社会

広島平和記念資料館(原爆資料館)の2023年度の入館者が、過去最多となる176万人を超えた。

広島市によると、23年度末まで残り1カ月余りの2月23日の段階で、4月からの入場者が176万252人(速報値)に達し、これまで過去最多だった19年度の175万8746人を上回った。3月末には190万人に達する見通し。同市で昨年5月に開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)を受け、被爆地への関心が高まったことなどが追い風となった。

同館は、平和記念公園の敷地内に1955年に開館し、原爆ドームや原爆死没者慰霊碑とともに「被爆地ヒロシマ」のシンボルの一つになっている。被爆資料や遺品、証言などの展示により、「世界の人々に核兵器の恐怖や非人道性を伝える」使命を持つ。2019年に展示が全面的に更新され、G7サミット開催時にはすべての参加国首脳が見学した。

下図は、ここ10年余りの総入館者数、外国人入館者数の推移。コロナ禍までの2019年度までは増加の一途で、特に外国人入館者が近年大きく増えている。2019年度には初めて50万人の大台を超え、23年度は1月までの10カ月間で、すでに過去最多を上回る56万9602人の外国人が同館を訪れた。

入館者数と外国人入館者数の推移

総入館者のうち、外国人が占める割合も大きく増え、23年度は1月までの10カ月の実績で33.6%と、3分の1以上に達している。修学旅行などの団体客の割合は、コロナ禍の時期を除くと、近年は総入館者の2割ほどとなっている。

入館者のうち外国人、修学旅行団体の割合の推移

下図は、コロナ禍前の2018年度における月別の入館者数。5月、10月、11月は修学旅行のハイシーズンで、8月とともに入館者が大きく増える。

2018年度の月別入館者数

原爆資料館では現在、入館時のチケット購入での長い行列発生が日常化。このため混雑緩和に向け、インターネットでもチケット販売を2月16日に開始した。同館の公式ホームページからチケット購入専用サイトに入り、希望日などを選択して電子決済で購入できる。

バナー写真:広島平和記念資料館(原爆資料館)で導入展示のCG映像を見る見学者=2023年4月(撮影:堂畝紘子)

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