Japan Data

3月28日は三つ葉の日:数少ない日本原産の野菜、春の訪れを香りで楽しもう

暮らし 環境・自然・生物

3月28日は「3・2・8」で三つ葉の日。三つ葉の名は、1本の茎に3枚の葉がつくことに由来する。正月の雑煮用として需要の高い年末に人目を引きがちだが、本来の旬はちょうど今ごろから初夏。実は三つ葉は、春を告げる野菜なのだ。

セロリに代表されるセリ科独特のさわやかな香りと、シャキシャキしたみずみずしさが魅力の三つ葉。3種類に大別でき、それぞれ収穫時期が異なる。

  • 根三つ葉…露地栽培で根元に土をかぶせることで白く太い茎になる。春に旬を迎え、伸びた根を切らないまま出荷される。大きな葉と強い香りが特徴。
  • 糸三つ葉…水耕栽培のため根にスポンジが付いたまま売られている。通年で目にする、最も一般的な三つ葉。茎も含め全体的に緑がかった色をしている。
  • 切り三つ葉…茎が白く軟らかくなるようハウス栽培され、根を切った状態でパック詰めされる。色と品質の良さが好まれ、年末年始を中心に高値で出回る。

三つ葉はもともと国内に自生していた山野草で、このような日本原産の野菜は他にウド、フキ、ミョウガなど、20種類ほどしかない。貴重な伝統野菜だが、三つ葉の出荷量は減少傾向だ。

三つ葉の出荷量(全国)の推移

春先に旬を迎える根三つ葉は特に、栽培に手間暇がかかる。まだ水の冷たい時期に収穫後、根を洗い土を落とすのはきつい作業だ。生産者の減少や高齢化など全国の農家に共通する課題もあるが、消費者としては旬にもそうでない時季もおいしい三つ葉を味わい、貴重な日本原産野菜を守っていきたい。

バナー写真:PIXTA

農業 食材