
東京の転入超過7.9万人―2024年、人口移動報告 : 若者を吸い寄せ、シニアを地方に送り返す東京圏
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コロナ禍でテレワークの普及やライフスタイルの見直しが進み、一極集中に変化の兆しが生まれたように見えたのはほんのつかの間のことだった。東京圏は再び、地方から若者を吸い寄せ、定年を迎えたシニア世代を地方に送り返す装置となりつつある。都市・地方格差は広がるばかり…。
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総務省が公表した2024年の住民基本台帳に基づく人口移動報告によると、「東京都への転入者数」と「東京都からの転出者数」は差し引き7万9285人の転入超過だった。超過数は23年よりも1万1000人増加した。
コロナ禍まっただ中の21年は、転入超過が比較可能な14年以降で最少の5433人まで落ち込んだが、社会経済活動の正常化と共に東京は吸引力を取り戻し、22年からは3年連続の増加。中でも、東京23区は21年は1万4828人の転出超過となったが、22年2万1420人、23年5万3899人、24年5万8804人の転入超過とコロナ禍前の水準に近づいている。
都道府県別で東京以外で転入超過となったのは、神奈川2万6963人、埼玉2万1736人、大阪1万6848人、千葉7859人、福岡4160人、山梨82人の6府県のみ。
転出超過数が最も多かったのは広島1万711人で、愛知7292人、兵庫7287人、静岡7271人が続いた。
三大都市圏別では、東京圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)は13万5843人の転入超過。年齢5歳階級別にみると、転入超過数は20~24歳が最も多く(8万6908人)、25~29歳(3万2065人)、15~19歳(2万827人)と続く。一方、転出超過数は60~64歳が最も多く(4544人)、次いで55~59歳(3239人)、65~69歳(3030人)。 進学や就職を機に故郷を離れて東京に移り住み、退職年齢を迎えて故郷に戻ったり、郊外に移り住むライフスタイルを反映しているとみられる。
大阪圏(大阪、京都、兵庫、奈良)は2679人の転入超過で、比較可能な2014年以降初めて転出超過から転じた。名古屋圏(愛知、岐阜、三重)は1万8856人の転出超過だった。
バナー写真 : PIXTA