
小中高生の自殺、過去最多527人― コロナ禍以降高止まり : 全世代では減少し、過去2番目の少なさ
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厚生労働省が警察庁の自殺統計を基にまとめた2024年の全国の自殺者数は、23年より1569人減少して2万268人だった。統計のある1978年以来、過去2番目の少なさ。人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)は、1.3人減の16.3人となった。
原因・動機別(複数計上)では、「健康問題」が1万1963人で最も多く、「経済・生活問題」5075人、「家庭問題」4334人が続いた。
年代別でみると、50代の3786人、40代の3205人が多いが、いずれも前年比で400人以上減少。一方で、学生・生徒は前年から53人増えて1072人となった。このうち小中高生は、統計がある1980年以降で最多の527人となった。内訳は女子288人、男子239人で初めて女子が男子を上回った。特に、中学・高校生の女子の増加が目立つ。小中高生の自殺は2011年以降300人台で推移していたが、新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年に499人に急増。コロナ禍が収束した後も500人前後で高止まりしている。
地域別の自殺者数は38都道府県で減少した。自殺死亡率は岩手(22.9人)が最も高く、次いで山梨(21.9人)、新潟(21.2人)。低かったのは鳥取(12.1人)、石川(13.4人)、京都(13.9人)の順だった。
厚生労働省では、「自殺の多くは追い込まれた末の死であり、その多くが防ぐことができる社会的な問題」であるとして、保健、医療、福祉、教育、労働その他の関連施策と連携を図り、総合的な自殺対策を推進するとしている。「まもろうよこころ」のページには、LINEなどのSNSや電話で悩み事を相談できる窓口や、自殺対策の取り組みなどの情報を分かりやすくまとめている。
こども家庭庁のサイトでは、子ども自身がSOSを発信したり、相談したりする先を見つけやすいよう、「相談窓口を探す」コーナーを設けている。
バナー写真: PIXTA