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就業者数最多6781万人― 労働力調査: シニアと女性が押し上げ要因だが…

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このところ「人手不足が深刻」というニュースを目にすることが増えた。ところが、総務省の労働力調査で2024年の就業者数は過去最多を記録した。いったいなぜ?

総務省・労働力調査によると、2024年の就業者数は前年より34万人増の6781万人となり、比較可能な1953年以降で最多となった。「就業者」とは15歳以上の人のうち、仕事を持って働いている人や一時的に休職している人を指す。

就業者を性別で分類すると、女性は31万人増の3082万人、男性は3万人増の3699万人。総数は男性の方が多いが、増加が目立つのは女性。

就業者を年齢階級別の分類するため、50歳代までを緑色のグラデーション、60歳以上をオレンジのグラデーションでグラフに示した。50歳代まで(緑色)は、1990年代をピークに減少傾向に転じ、それを補うかのように60歳以上(オレンジ)が増えている。「就業者過去最多」は、60歳以上の人が多く働くことによって実現したことが読み取れる。

さらに緑色部分をよくみると、明るい色(若い世代)の下り坂がくっきりしており、深緑(中高年)の割合が増していることが分かる。これが、5年後、10年後の就労者の年齢構成に反映される。

年齢階級別の就労者数の推移

労働力人口の推移

女性やシニアの働き手が増えたお陰で、人口減社会でも就業者数は過去最多。ただ、女性やシニア層にはフルタイムの働き方を選ばない人も多く、労働時間を考慮した労働投入量の増加にはつながっていない。ゆえに、人手不足が解消しない。少子高齢化が状態化する中で、いかに十分な働き手を確保するのか―という課題が残る。

バナー写真 : PIXTA

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