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クルーズ船の旅:需要は回復基調 2024年の訪日クルーズ外国人客は前年比4倍増の143万8000人―国土交通省まとめ

経済・ビジネス

コロナ禍で壊滅的なダメージを受けた訪日クルーズ船の旅。運航再開2年目の2024年は、前年比4倍の143万8000人の外国人客が利用。需要回復が鮮明となった。

国土交通省がこのほど発表した速報値によると、2023年の日本港湾へのクルーズ船寄港回数は前年比1.3倍の2479回で、これまでピークだった18年(2930回)の85%まで回復した。訪日クルーズ客は同4倍の143万8000人と大幅に伸び、ピーク時(2017年の252万9000人)の57%まで回復した。

2479回の全寄港の内訳は、外国クルーズ船が1923回、日本クルーズ船が556回。寄港回数の上位は1位博多(204回)、2位那覇(175回)、3位長崎(160回)、4位横浜(147回)、5位石垣(120回)だった。

クルーズ船で入国の外国人旅客数

日本の港湾へのクルーズ船の寄港回数

日本では、2015年から17年にかけ、中国クルーズ市場の需要増を背景に、クルーズ船による訪日客が急拡大。特に、九州・沖縄の各地に中国発のクルーズ船が数多く寄港した。しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大で、20年3月に国際クルーズの運航が停止。23年が「運航再開元年」となった。

国土交通省によると、中国発クルーズの旅客は、コロナ禍前には全体の8割強を染めていた。しかし24年は95万1000人と、ピーク時(17年:217万3000人)の44%にとどまり、回復が遅れている。

外国クルーズ船の24年の運航を見ると、寄港数1923回のうち、高価格帯(プレミアム、ラグジュアリー、エクスペディションクラス)の船が1099回(57%)、カジュアルクラスが824回(43%)と、コロナ前に比べて「クルーズ高級化」の傾向が見てとれる。寄稿港湾数は97港だった。

政府はクルーズ再興に向けた2025年の目標として、「訪日クルーズ旅客250万人」「外国クルーズ船の寄港回数2000回超」「外国クルーズ船が寄港する港湾数100港」を掲げている。

バナー写真:PIXTA

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