
2024年の日本の軍事費8兆3700億円:前年比21%増 世界10位は変わらず―スウェーデンのSIPRI調査
国際・海外 政治・外交
世界全体で支出される軍事費は2024年の1年間で2兆7180億ドルと、前年より9.4%も増加した。これは東西冷戦終結以降、最大の伸び率。日本の軍事費は553億ドルで、世界10位の水準だ。
- English
- 日本語
- 简体字
- 繁體字
- Français
- Español
- العربية
- Русский
スウェーデンに本部があるストックホルム国際平和研究所(SIPRI)がこのほど公表した2024年の世界の軍事支出調査によると、日本の軍事支出は前年比21%増の553億ドル(8兆3700億円)で、前年と変わらず世界10位の水準だった。
世界の軍事支出上位10カ国は、9970億ドルだった米国を筆頭に、推定で3140億ドルの中国、推定1490億ドルのロシアと続き、以下、ドイツ、インド、英国、サウジアラビア、ウクライナ、フランス、日本の順。ロシアは前年比38%もの増加。ウクライナの軍事費は、2.9%増の647億ドル。イスラエルは世界12位で、前年比65%増の465億ドルを軍事費として支出した。
上位15カ国の合計は2兆1850億ドルで、全体の80%を占めた。
日本の国内総生産(GDP)に占める軍事支出の割合は、24年は1.4%となった。世界のGDPに占める軍事支出の割合は2.5%。軍事費トップの米国は3.4%、中国は推定1.7%、ロシアは推定7.1%だった。ウクライナの軍事支出はGDP比34%と、突出した数字になっている。
ロシアを含めた欧州の軍事支出は前年比17%も増加。NATO加盟主要国の軍事支出GDP比はドイツ1.9%、英国2.3%、フランス2.1%、ポーランド4.2%、イタリア1.6%だった。
日本の軍事支出は、1988年には3兆6700億円だったが、90年に4兆円台に突入し、90年代を通して増加傾向を続けた。2000年代以降はおおむね5兆円前後で推移。23年に初めて6兆円を突破したが、24年は8兆円台に急増した。
バナー写真:陸海空3自衛隊を一元的に指揮する統合作戦司令部が発足し、記念行事で敬礼する隊員=2025年3月24日、東京都新宿区の防衛省(時事)