
2025年の梅雨シーズン、九州南部からスタート : 豪雨災害に警戒を!
気象・災害 環境・自然・生物 社会
2025年の梅雨シーズンは異例のスタートをきった。気象庁は5月16日、「九州南部が梅雨入りしたとみられる」と発表。平年より14日、前年より23日早い梅雨入りで、1951年の統計開始以来、九州南部が沖縄や奄美地方よりも早く全国で最も早く梅雨入りしたのは初めて。19日には奄美地方も梅雨入りした。今後、6月に入ると九州北部(北海道を除く)から東に向かって順次梅雨入りが宣言される見通しだ。
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1年前の2024年の梅雨シーズンを振り返ると、全国的に平年(薄青の背景カラーで示した)よりも1~2週間遅めの梅雨入りとなり、九州北部より東側のエリアは6月17日からの1週間にたて続けに梅雨入りした。一方、梅雨明けはほぼ平年並みか、平年よりもやや早めの地域が多く、全般的に短めの梅雨シーズンだった。
平年では、東京、大阪、名古屋、福岡など九州北部から関東甲信にかけては6月上旬に梅雨入りし、7月20日前後に梅雨明けする。梅雨期の降水量は、九州北部では500~600ミリ程度、関東甲信や東海では300ミリ程度となっている。
降水量は年によってばらつき
関東甲信と北陸の、過去30年余りの梅雨期の平年比降水量は次の通り。年によってかなりばらつきがあり、関東の場合は1990年のように、平年の半分しか雨が降らない「空梅雨」のケースも。逆に2020年は梅雨明けが8月1日と遅く、平年の1.7倍の降水があった。
梅雨の時期、特に末期には降雨量が多くなることが多く、集中豪雨による河川の氾濫(はんらん)、土砂災害などに十分な警戒が必要だ。2024年は、東北地方に停滞した梅雨前線に日本海側から大量の暖かい水蒸気と上空の寒気が流れ込み、山形・秋田両県で7月25日を中心に記録的な大雨となり、河川の氾濫・浸水被害が相次ぎ、激甚災害に指定された。
バナー写真:PIXTA