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日本生命・筒井氏が経団連会長就任―金融界から初 : 歴代会長一覧

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経団連の第16代会長に日本生命の筒井義信前会長が就任した。経団連の歴史で初めての金融界からの起用。これまで日本を代表する大規模製造業のトップが務めてきた歴代会長を一覧にした。

経団連(日本経済団体連合会)の第16代会長に日本生命の筒井義信前会長が2025年5月29日付で就任した。

経団連会長の任期は2年だが、第6代の斎藤英四郎氏以降は2期4年務めるのが慣例化している。「財界総理」と呼ばれた高度成長期のようなパワーはないものの、産業界の利益代表であるとともに、国民世論を代弁する役割も担うなど、国政への影響力もある。これまでは、「会長は製造業出身が望ましい」とする不文律があり、新日本製鉄(現日本製鉄)やトヨタ自動車など日本を代表する製造業のトップが就くのが通例で、金融界からの就任は初めて。日本生命は保険契約者を社員とする相互会社で、非上場会社からの起用もこれまで例がなかった。

筒井氏は、2011年に日本生命社長就任。15年の三井生命保険(現大樹生命保険)の買収を主導し、収益基盤の強化した。18年4月に会長就任。経団連では23年から副会長を務めていた。また、脱炭素社会の実現を目指し政府主導で24年7月に発足したGX(グリーントランスフォーメーション)戦略の中核機関となる「GX推進機構」の初代理事長に就いた。

経団連歴代会長一覧

経済団体連合会(旧経団連)

初代 石川一郎(日産化学工業社長)
1948―56
第2代 石坂泰三(東京芝浦電気社長)
1956―68
第3代 ★植村甲午郎(経団連事務局)
1968―74
第4代 土光敏夫(東京芝浦電気社長)
1974―80
第5代 稲山嘉寛(新日本製鉄会長)
1980―86
第6代 斎藤英四郎(新日本製鉄会長)
1986―90
第7代 ★平岩外四(東京電力会長)
1990―94
第8代 豊田章一郎(トヨタ自動車会長)
1994―98
第9代 今井敬(新日本製鉄会長)
1998―2002

日本経団連(旧経団連と日経連が統合)

第10代 奥田碩(トヨタ自動車会長)
2002―06
第11代 御手洗冨士夫(キヤノン会長)
2006―10
第12代 米倉弘昌(住友化学会長)
2010―14
第13代 榊原定征(東レ会長)
2014―18
第14代 中西宏明(日立製作所会長)
2018―21
第15代 十倉雅和(住友化学会長)
2021―25
第16代 ★筒井義信(日本生命取締役)
2025―

役職は就任当時、★は「非製造業出身」

バナー写真:(左)筒井義信経団連会長、(右)十倉雅和前会長。(2025年3月25日撮影時点では、筒井氏は副会長、十倉氏が会長だった)(共同通信イメージズ)

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