〈縮むニッポン〉出生数、初の70万人割れ : 止まらない少子化、出生率過去最低の1.15
家族・家庭 社会 政治・外交
政府は毎年のように少子化対策を重点政策に掲げるが、反転するどころか、拍車がかかっているのが現状だ。2024年の出生数はついに70万人を割り込んだ。若者が結婚する気にも、子どもを産む気にもなれないニッポン。
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少子化、人口減が加速
厚生労働省が発表した人口動態統計（概数）で、2024年に生まれた赤ちゃんの数（出生数）は、前年より4万1227人少ない68万6061人となり、初めて70万人を割り込んだ。過去最少の更新は9年連続。合計特殊出生率（1人の女性が生涯に産む子どもの数）は前年比0.05ポイント減の1.15で過去最低を更新した。
都道府県別の出生率は西高東低の傾向があり、東京は前年に続いて1を割り込み0.96。宮城1.00、北海道1.01が続いた。最も高かったのは沖縄1.54で、福井1.46、鳥取、島根、宮崎が1.43で続いた。
婚姻数は前年よりも約1万322組増の48万5063組と2年ぶりにプラスに転じたが、底ばいから抜け出してはいない。婚外出産に対する抵抗が強く、晩婚・非婚の定着で、出生数の回復は容易ではない。
日本の人口動態
| 2024年（概数） | 2023年（確定） | |
|---|---|---|
| 出生数 | 68万6061人 | 72万7288人 |
| 合計特殊出生率 | 1.15 | 1.20 |
| 死亡数 | 160万5298人 | 157万6016人 |
| 自然増減 | ▲91万9237人 | ▲84万728人 |
| 婚姻数 | 48万5063件 | 47万4741件 |
| 離婚数 | 18万5895件 | 18万3814件 |
厚生労働省の人口動態統計をもとに編集部作成
死亡数は前年2万9282人増の160万5298人と戦後最多。人口の自然減（出生数と死亡数の差）は21年に初めて60万人を超えた後も急坂を下るように減少し、24年は91万9237人と過去最大を更新した。
日本の出生数は終戦直後の第1次ベビーブーム（1947～49年）には250万人、第2次ベビーブーム（71～74年）には200万人を超えた。その後は一貫して減り続け、第2次ベビーブーム世代の出産ブームも起こらぬままに、2007年以降は自然減の幅が拡大している。
【資料】
- 厚生労働省「令和6年（2024）人口動態統計月報年計（概数）の概況」
バナー写真 : PIXTA